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予実管理を経営に活かそう
● 予算作成のポイント
  中小企業の場合、毎月の月次試算表で、売上や利益の実績は確認しているが、予算を作成し、予算と実績の比較まで行っているケースは少ないように思う。毎月、予実管理をしっかり行うことで、日々の経営をリアルタイムで軌道修正し、適宜フィードバックしながら、常にゴール(決算)を意識した経営を行うことができる。
  そのための第一歩は、まず予算を作成するところから始まる。予算の立て方は、大まかには「トップダウン方式」と「ボトムアップ方式」の2種類ある。
  トップダウン方式の場合には、会社の成長や借入金の返済のため等で必要な利益が先に決まる。そして、その利益を達成するために必要な売上等を決定し、それを各営業所や各商品など、部門別に落とし込んでいく。ボトムアップ方式の場合には、逆に各営業所などの現場が目標とする売上等を提出し、それを集計することで全体の予算が決まる。
  実際には、これらの両方の作業を並行しながら、数字を調整していくことになる。目標予算、現実的可能予算、最低限必達予算など、複数の予算を作成するケースも出てくるかもしれない。
● 毎月の予実管理で、常に最新の決算予想を把握
  予算が作成できたら、毎月の月次決算の中で、予算と実績の比較を行う。重要なのは、正確な予算を立てることではなく、予算と実績の違いを分析することにある。基本的には、予算と実績の差額が大きい科目を中心に、その差額の原因を分析していくことになる。
  例えば、売上の場合なら、どの売上先で差額が発生しているか、平均単価や売上数量の変化はどうか、各営業所や商品の動向はどうかなど、ドリルダウンして調べていく。原因を調べていく中で、当初の想定と現状が大きく変わってきている場合には、予算の修正が必要になる場合もある。
  また、月次試算表での当期実績と、当期未経過月の予算を合計することで、常に現状に基づいた決算予想を把握することができる。そのため、決算直前になってから慌てる必要もなくなり、決算を見据えたリアルタイム経営が可能となる。
※  データの集計レベルを1段階ずつ掘り下げて、集計項目をさらに詳細化する方法。
  
村田 直(むらた・ただし)
マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士
大阪府茨木市出身。大学卒業後、会計事務所勤務を経て現法人へ。平成22年3月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。
マネーコンシェルジュ税理士法人
◎私たちは「経営者へのお役立ち度★世界一」の税理士事務所を目指します!
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2012.08.16
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