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経産省、車体課税の抜本的見直しなど税制改正に要望
● 自動車取得税・自動車重量税の廃止を要望
  経済産業省はこのほど、平成25年度税制改正に関する要望を公表し、(1)「根こそぎ空洞化」の防止と世界で勝ち抜く産業・企業群の再構築のため、車体課税の抜本的見直しや研究開発促進税制の拡充等、(2)新たなエネルギーミックスの実現と資源・燃料の戦略的確保のため、再エネ・コジェネの導入拡大、省エネ抜本強化等、(3)地域の経済・雇用を支える中小企業の活性化のため、事業承継の円滑化、消費税引上げへの対応等を掲げた。
  車体課税は取得・保有段階において複数の税が課されており、過大な税負担が自動車ユーザーのクルマ離れ、国内市場低迷の一因となっていることや、消費税率が10%に引き上げられた場合の負担増加の緩和などから、自動車取得税・自動車重量税について、道路特定財源廃止により課税根拠を喪失していることなどを踏まえ、当分の間として適用されている税率も含め廃止を要望した。
  研究開発促進税制については、恒久措置である「総額型」における控除上限(法人税額の20%まで)が平成21〜23年度分の時限措置として30%に引き上げられているが、24年分以降についてもその再引上げ(法人税額の20%→30%)を図ることを求めている。
● 事業承継の円滑化と消費税引上げへの対応
  事業承継の円滑化に向けては、先代経営者の親族である後継者が、相続・贈与により取得した非上場株式の80%分(贈与は100%分)を納税猶予する適用要件について、親族外承継の対象化や役員退任要件を代表者退任要件に緩和。雇用8割維持要件について、毎年でなく5年間の平均で判定し、未達成の場合は下回った分を納税、5年経過後に納税猶予額を全額免除――などを求めた。
  また、小規模会社が所有する事業用土地の評価額の80%相当額を、課税価格から減額する特例の創設を要望している。
  一方、消費税率引上げへの対応では、政府の転嫁検討本部において取りまとめられた「中間整理」を踏まえ、(1)中小商業・サービス業の魅力向上や事業改善に資する設備投資に対する減税制度の創設、(2)中小企業が消費税納税事務に用いるパソコン等の少額資産に係る固定資産税の見直しのほか、転嫁・価格表示に関する消費者・事業者に対する広報や相談窓口の設置、円滑な転嫁のための法的措置などを講ずることを掲げている。
参考 :経済産業省ホームページ「平成25年度税制改正に関する経済産業省要望【概要】」
http://www.meti.go.jp/main/yosangaisan/fy2013/pdf/04_2.pdf
  
浅野 宗玄(あさの・むねはる)
株式会社タックス・コム代表取締役
税金ジャーナリスト
1948年生まれ。税務・経営関連専門誌の編集を経て、2000年に株式会社タックス・コムを設立。同社代表、ジャーナリストとしても週刊誌等に執筆。著書に「住基ネットとプライバシー問題」(中央経済社)など。
http://www.taxcom.co.jp/
○タックス・コム企画・編集の新刊書籍「生命保険法人契約を考える」
http://www.taxcom.co.jp/seimeihoujin/index.html
  
2012.09.24
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