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病院選びの決め手はどれか?
  厚生労働省は、9月11日、全国の医療施設を利用する患者について、受療の状況や受けた医療に対する満足度等を調査した「平成23年受療行動調査の概況(概数)」を発表した。今回の調査は、患者の医療に対する認識や行動を明らかにし、今後の医療行政の基礎資料を得ることを目的としており、主な結果は以下のとおりである。ご自身の場合と比べてみてはどうだろうか。
(1) 病院を選んだ理由の1位は、「以前に来たことがある(外来)」と「医師の紹介(入院)」
  なぜその病院を選んだかという理由をきいてみると、外来では「以前に来たことがある(38.0%)」「自宅や職場・学校に近い(37.6%)」の割合が多く、入院では「医師による紹介(49.0%)」の割合が多くなっている。また、病院の種類別にみると、外来では特定機能病院と大病院、入院ではすべての病院で「医師による紹介」が最も多くなっており、まずは地元のかかりつけ医等の診察を受け、必要に応じてかかりつけ医が入院設備や高度医療機器を備えた総合病院などを紹介するという「病診連携」がすすんでいるとみられる。
(2) 外来を受診するときは、3分の2の人が予約をし、3分の2の人が1時間未満の診察待ちをして、約4割の人の診察時間が3〜10分未満であった
  外来患者の予約状況をみると、64.4%の人が予約をしており、特定機能病院では87.7%と9割近くになっている。診察までの待ち時間は、15分未満が21.6%、15〜30分未満が22.6%、30分〜1時間未満が21.0%で、全体のおよそ3分の2が1時間未満であった。
  一方、診察時間では、3〜10分未満が38.0%ともっとも多く、10〜20分未満の21.8%、3分未満の13.8%が続いている。
(3) 病院で請求された金額は1,000〜3,000円未満が約3割
  外来を受診した際に病院で請求された金額は、1000〜3000円未満が28.9%と一番多く、5000円未満が全体の7割強を占めている。この請求金額について、負担に感じない人は35.4%、負担に感じる人は20.6%であった。
(4) 病院に対する満足度は、外来で5割弱、入院で6割強
  外来を受診した病院について、満足していると回答した人は49.7%で、特に特定機能病院では57.1%と高くなっている。項目別では、「医師以外の病院スタッフの対応」や「医師との対話」「診療・治療内容」について5割近くの人が満足しているが、一方で、「診察までの待ち時間」については4人に1人が不満であった。
  入院患者の場合は、満足していると回答した人は64.1%で、満足度については入院患者のほうが高かった。項目別では、「診療・治療内容」「医師以外の病院スタッフの対応」や「医師との対話」について6割強の人が満足しているが、「食事の内容」「病室・浴室・トイレ」「病室でのプライバシー保護」などでは1割前後の人が不満であるとしている。
参照 厚生労働省「平成23年受療行動調査の概況(概数)」平成24年9月11日発表
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jyuryo/11/index.html
2012.10.15
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