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消費税増税で住宅の購入はいつがお得?(前編)
  消費税増税関連法案が8月に国会で可決され、成立した。住宅購入を検討している方の中にはいつ購入したら良いのか悩まれている方も多いだろう。そこで、今回は、消費税率が8%にアップした場合、物件価格、諸費用はどのくらい値上りするのか試算し、住宅に対する支援制度、金利なども含めトータル的にベストな購入時期を考えてみたい。
1.消費税増税
住宅を購入するにあたって消費税の課税対象となる主なものとして、
@ 建築費(建物工事費、屋外附帯工事費・・・前面道路の下水道工事費など、間接工事費・・・図面作成費など)
A 土地取得に関する不動産会社に支払う仲介手数料、土地に関する造成費、地盤改良費など
B 融資の際に金融機関に支払う融資手数料
C その他手数料(土地家屋調査士、司法書士など)
などが上げられる。
  実際に3%増税で試算してみると、土地1,500万円、建物2,500万円の物件を建てた場合、建物価格75万円、仲介手数料3.8万円、その他手数料関係10万円強、合計100万円近い金額が諸費用の値上がりとなることが予想される。ただし、建物の条件により値上がり幅は大きく異なる。
  一方、消費税がかからないものとしては、土地購入代金、契約する際の印紙税、登録免許税、不動産取得税、ローン保証料などが上げられる。
  不動産を取得する場合、消費税の税率は「契約時」ではなく、「引渡し時」で判断されることが重要なポイントである。(下記の図表を参照)
  2014年3月末までに引渡しが完了していれば現行の5%で済む(A)。
  引渡しが2014年4月以降にずれ込んだ場合は原則8%になるが、建築工事の請負契約について、「税率引き上げの半年前までに契約すれば、引き渡しが税率引き上げ後でも契約時の税率を適用する」という“経過措置”が盛り込まれているため、2013年9月30日までに契約を結べば5%の税率が適用される(B)。
  ただし、2013年10月以降に追加工事などで一部増額した場合にはその増額部分に関しては8%となる(C)。
  住宅支援制度、金利、どのタイミングで購入するかについては次回お知らせしたい。
  
伊田 賢一 (いだ・けんいち)
株式会社FPウィム 代表取締役、株式会社WINKS 代表取締役
CFP®認定者、一級ファイナンシャル・プランニング技能士
証券会社3社に勤務の後、2002年に独立系FPとして活動開始。独立系FP会社役員を経て、2007年に相談業務を中心としたFP会社として株式会社FPウィムを設立。2010年には多角的なFPサービスの提供を目的とした株式会社WINKSを設立。相談者の心の内の心配ごとをいち早く見つけ、個々人の夢や目標に応じたマネープランニングを提案し、実行援助、管理、見直しに至るまで包括的なサービスを提供している。個人や企業の相談は月平均30件、講演、セミナーも年間60件を超えるなど、幅広いファイナンシャル・プランニング業務を行っている。さいたま朝日に「家計の知っ得」、ホケモンに「保険の基礎知識」などを連載中。おもな著書に「うかる!FP技能士2級」「うかる!FP技能士3級」「うかる!証券外務員2種」などがある。
NPO法人日本FP協会 埼玉支部副支部長、 マネーカフェさいたま代表、埼玉県金融広報委員会アドバイザー。
株式会社FPウィム http://fpwim.com/
  
  
2012.11.01
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