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社内の蛍光灯、LED取替費用は税務上どうなる?
  年末の大掃除に際し蛍光灯を取替えるところもあろうが、昨今は節電の影響もあり消費電力が少ないLEDランプへ取替を検討されるところも多いと思われる。
  そこで、国税庁の質疑応答事例を参考にLEDランプへの取替費用について税務上の取扱いを説明する。
● 国税庁の質疑応答事例
  (照会要旨)
  当社では、節電対策として自社の事務室の蛍光灯を蛍光灯型LEDランプに取替えることを考えていますが、その取替に係る費用について修繕費として差し支えありませんか。なお、当社はこれまで蛍光灯が切れた際の取替費用を消耗品費として処理しています。

  (取替の概要)
@ 事務所の蛍光灯100本すべてを蛍光灯型LEDランプに取替える。なお、この取替にあたっては、建物の天井のピットに装着された照明設備(建物附属設備)について、特に工事は行われていない。
A 蛍光灯型LEDランプの購入費用 10,000円/本
B 取付工事費 1,000円/本
C 取替えに係る費用総額 1,100,000円

  取替に係る費用総額110万円について修繕費としていいのか資本的支出とすべきか迷うところだが、このケースの場合は費用処理して差し支えないとの回答である。
● 考え方
  法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうちその固定資産の通常の維持管理のため、又はき損した固定資産につきその原状を回復するために要したと認められる部分の金額は修繕費となる。
  一方、法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち、その固定資産の価値を高め又は耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する金額は資本的支出となる。
  では蛍光灯型LEDランプへの取替費用はというと、節電効果や使用可能期間などが向上している事実をもって固定資産の価値等を高めているとして資本的支出に該当するとも考えられる。しかし、質疑応答事例では、蛍光灯(又は蛍光灯型LEDランプ)は照明設備(建物附属設備)がその効用を発揮するための一つの部品であり、かつ、その部品の性能が高まったことをもって建物附属設備としての価値等が高まったとまではいえないと考えられるため、修繕費として処理することが相当と回答されている。
  つまり、通常のLED取替費用については修繕費となるため全額損金となり、節電にも節税にも有効と考えられる。
  
今村 京子 (いまむら・きょうこ)
マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士
三重県出身。金融機関・会計事務所勤務を経て現法人へ。平成15年6月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。
プライベートでは、夫は税理士の今村 仁で2女の母。趣味は歌舞伎鑑賞。
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2012.11.29
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