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職場のパワハラ、予防・解決に向けたポータルサイト開設
● パワーハラスメントは、大きな社会問題
  都道府県労働局に寄せられる「いじめ・嫌がらせ」に関する相談は、平成14年度の約6,600件から、平成23年度には約46,000件と急速に増加している。職場のいじめ・嫌がらせ、いわゆる「パワーハラスメント」は、いま、大きな社会問題になっている。
  このような背景もあって厚生労働省は10月1日、職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けたポータルサイト「みんなでなくそう!職場のパワーハラスメント あかるい職場応援団」を開設した。このポータルサイトは、コンテンツも大変充実しており、あらゆる立場の人が対象となる内容となっているので、今後もさらに多くの人々の問題解決に役立つサイトとして発展していくものと思われる。
● 実務に役立つ取組事例や裁判例も記載
  このポータルサイトは、今年3月15日に「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」が発表した「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」をもとに、予防・解決への社会的気運を醸成するための周知・広報ツールの一つとして開設した。
  ポータルサイトではパワーハラスメントの概念や、職場での取り組みの必要性について説明しているが、事例についてなどは大変わかりやすく参考になるところも多い。また、パワーハラスメント対策に取り組んでいる企業の紹介や、部下への厳しい注意指導などが裁判ではどう扱われるかといった裁判例の解説なども掲載されており、企業担当者としては、ぜひとも参考にしながら知識を深めていきたいところである。
● 約7人に1人が「職場でパワハラにあっている人がいる」!?
  パワハラに関しては、現場で働く人の視点からどのように感じているのかということを押さえておきたいところだが、過去の厚生労働省関連の調査によると「職場でパワハラにあっている」という質問項目について、「そうだ」が6%と約17人に1人の割合で存在しており、同様に「職場でパワハラにあっている人がいる」という質問項目については、「そうだ」が15%と、約7人に1人の割合で存在していることがわかった。
  この約7人に1人がパワハラを受けているという事実があることを考えれば、各企業としては、その予防と問題解決に向けて具体的な対策を実行しておかなければならない。このポータルサイトからは、パワハラに関するポスターやリーフレットのダウンロードもすぐにできるようになっているので是非とも有効活用していただきたい。
「みんなでなくそう!職場のパワーハラスメント あかるい職場応援団」トップページ
  
庄司 英尚 (しょうじ・ひでたか)
株式会社アイウェーブ代表取締役、庄司社会保険労務士事務所 所長
社会保険労務士 人事コンサルタント
  福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。
公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/
  
  
2012.12.03
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