>  今週のトピックス >  No.2547
50代社員、「定年後も働きたい」が約6割
● 50代社員のキャリアを取り巻く現状
  人材派遣業の株式会社日本マンパワーでは、このたび50代社員のキャリアを取り巻く現状について、企業に属する「50代社員」と「人事担当者」それぞれに調査を実施した。その調査結果によると、50代社員のうち、定年後も働きたいと考えている人は半数以上の57.3%だった。
  改正高年齢者雇用安定法の施行を受けて、企業も高年齢者の活用には頭を悩ませている。どこの企業も高年齢者の業務の生産性を高めて、業績に貢献してもらいたいと考えているがそのためには課題もたくさんある。課題解決のためには、まずは50代社員が今後のキャリアについてどのように考えているかを知ることも大事なので、このような調査結果はその大きなヒントになるのではないだろうか。
● 定年について家族に相談したことがある人は、約3割
  調査結果のサマリーは次のとおりである。
定年後も働きたいと考えている人は半数以上の57.3%
しかし、定年について家族に相談したことがある人は、30.6%
定年までの将来の見通しが明るい人は、わずか18.2%
定年までのビジョンを明確に持つ人は、半数以下
50代になって新たに見つけた“やりがい”がない人は、76.6%
年下の上司を持つ50代社員は、74.5%
企業側が50代社員に対して感じている課題点は「後進育成」「働く意欲」「技能伝承」
50代社員の自己認識と企業人事担当者の認識との間に、ギャップがある
・自分自身の強みと弱みを正しく把握できているか
・良い人間関係が作れるように、努力しているか
・自分しか知らない仕事のノウハウを、部下や後輩に対して伝えているか
● 後進育成できる50代社員になるようなキャリア開発が必要
  今回の調査で明らかになった人事施策の一番の課題は「後進育成」であった。この課題を解決するためにはまずは「50代社員のことを良く知ること」、そして「人事担当者と50代社員の間の意識のギャップを埋めること」が重要である。そのためにも人事担当者は、「社員のキャリア支援制度」、「個別相談の制度」などを導入し、組織を活性化させて、50代社員の貢献度が高い企業へと改革していかなければならないと思われる。
参照 :日本マンパワーホームページ「50代社員に関する調査」
http://www.nipponmanpower.co.jp/cp/evaluate/cc/information/50s-es2012_report/
  
庄司 英尚 (しょうじ・ひでたか)
株式会社アイウェーブ代表取締役、庄司社会保険労務士事務所 所長
社会保険労務士 人事コンサルタント
  福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。
公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/
  
  
2012.12.17
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