> 今週のトピックス > No.2559 |
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転職の際は確認したい、中退共の「通算制度」 | |||||||||||||||||||||||||||||
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![]() ● 適年から最も移行が多かった中退共
2012年3月の適格退職年金(適年)廃止に伴い、適年加入企業の移行先が注目されていました。厚生労働省の資料によると、おもな移行先は、中小企業退職金共済制度(中退共)が3割、確定給付企業年金(DB)が2割、確定拠出年金(DC)が1割でした。
移行先で最も多かった中退共は、中小企業退職金共済法という法律によって定められた、中小企業の従業員を支援するための国の退職金制度で、1959年に設立されました。現在は加入企業36万4,913所、加入従業員328万7,288人、運用資産額約3.8兆円の規模に成長しています(2012年11月末現在)。 中退共が中小企業に人気がある理由は、加入事業主に対して掛金の一部を助成する制度や税制優遇(掛金は法人企業の場合は損金として、個人企業の場合は必要経費として、全額非課税)があること。そのため、自社の退職金支給が手薄な中小・零細企業がおもに加入しています。加入企業は毎月掛金を納め、従業員は会社を辞めた時に中退共から退職金が直接もらえます。 掛金月額は従業員ごとに選択でき、また加入後はいつでも増額変更できるのも人気の理由です(減額は所定の要件を満たさないとできません)。従業員の給与を昇給するとそれに伴って健康保険、厚生年金保険、介護保険、雇用保険などの社会保険料が上がってしまうケースがありますが、経費節減策として、昇給せずにそれと同等額を掛金月額に増額して、退職金を手厚くすることで社会保険料の上昇を抑える事業主もなかにはいるようです。 掛金月額(16種類)
*短時間労働者は、上記の他に2,000円、3,000円、4,000円から選択することも可能
![]() ● 中退共加入企業間での転職なら、退職金を通算できる
中退共の大きな特長の1つに「通算制度」があります。退職金は一般にその企業限りのものですが、通算制度によって従業員が転職時まで積み立てていた退職金を引き継ぐことが可能です。また、中退共加入前の勤務期間を通算したり、企業間を転職した場合に掛金の納付実績を通算したりすることができ、これによりまとまった退職金を受け取ることができます。
転職した場合の通算は、中退共加入企業から他の中退共加入企業に転職した従業員が、前の企業での退職金を請求せずに新しい企業で中退共に加入した場合、掛金が12ヶ月以上納付されていたなどの要件を満たしていれば、前の企業での掛金納付実績をそのまま新しい企業の契約に通算することができる制度です。なお、中退共同士以外でも、特定業種退職金共済制度または特定退職金共済制度に加入している企業と中退共加入企業とでの転職の際にも通算できます。 中退共加入の際には事業主が手続きをしますので、加入していることを忘れてしまっている従業員や退職者もいます。もらい忘れを防ぐためにもご自身で確認することが大切です。中退共制度を運営している独立行政法人勤労者退職金共済機構・中小企業退職金共済事業本部のホームページでは、同制度に加入している事業所を検索できますので、心当たりのある方は一度検索してみることをお勧めします。 ![]() http://chutaikyo.taisyokukin.go.jp/kinrou/kensaku/ ![]()
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2013.01.21 |
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