>  今週のトピックス >  No.2563
朝、残業を行うことがある「45.3%」
● 始業時間の平均22.7分前に到着
  昨年末、連合(日本労働組合総連合会)から「労働時間に関する調査」が公表された。この調査は、委託先の民間調査会社が行った携帯電話によるインターネットリサーチで、20歳から59歳までの正社員・正職員1,000人を対象に2012年9月に実施された。
  調査結果によると、始業時間の何分前に会社に着くことが多いか聞いたところ、「5分〜10分未満」14.6%、「10分〜15分未満」19.3%、「15分〜20分未満」14.1%で、平均は22.7分前となった。
  また、1日に何時間働くことが多いか、1日の労働時間(休憩時間を含めない)を聞いたところ、「7時間〜8時間未満」20.3%、「8時間〜9時間未満」34.9%、「9時間〜10時間未満」21.2%で、平均は9.2時間となった。
● 夜残業することがある人は約8割
  残業に関する調査に関しては、季節や繁忙期などにもより大きく異なるところもあるかもしれないが、大体の目安としては参考になるところである。調査結果によると、始業時間前に業務を行う“朝残業”を行うことがあるか聞いたところ、「よくある」は26.6%となり、「時々ある」18.7%を合わせた「朝残業を行うことがある」割合は45.3%となった。また朝残業は30代以上の世代が20代より高くなっているのが特徴となっている。
  また、夜の残業を行うことがあるか聞いたところ、「よくある」は48.4%と半数近くで、それに「時々ある」30.7%を合わせた「夜残業を行うことがある」割合は79.1%となった。その傾向は世代が若くなるにつれ高くなっている。
● 始業前の強制参加の朝礼時間は「労働時間」
  始業時間前に出社して仕事をするような業務命令があった場合や早出残業の申請をしている場合を除いて、自発的に始業時間より少し前に出社して仕事をするような場合、それは一般的に労働時間とはならない。一方、毎朝、部署内で始業時間前に行っているミーティング時間、参加が強制されている朝礼時間及び全員参加の掃除の時間については、労働時間とみなされる。
  従業員から早出残業分の賃金が未払いであると会社に請求される可能性を考えれば、リスク回避のためにもすぐに労働基準法に違反する項目については改めるべきである。未払い賃金として請求された場合、時効は2年となっているが、仮に1日30分の朝礼時間であっても2年分が積み重なると結構大きな金額になるということを十分理解しておいていただきたい。
参照 :連合ホームページ「労働時間に関する調査」
http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/chousa/data/20121227.pdf
  
庄司 英尚 (しょうじ・ひでたか)
株式会社アイウェーブ代表取締役、庄司社会保険労務士事務所 所長
社会保険労務士 人事コンサルタント
  福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。
公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/
  
  
2013.01.28
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