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大手企業を目指す就活生が44.7%、4年ぶりに増加
● 採用市場の盛り上がりに伴い大手志向が復活
  就職情報会社の株式会社ディスコは、2014年3月卒業予定の大学生の就職活動モニター(現大学3年生、理系は修士1年生を含む)を対象に2013年3月1日〜7日の期間、インターネットで調査を行った。その調査結果によると、活動対象の中心としている企業の規模についての質問では、「業界トップの企業」(18.2%)や「大手企業」(26.4%)といった、いわゆる大手を狙いたいという学生(就活生)が44.7%と4年ぶりに増加していることがわかった。リーマンショック後、大手を志望する人の割合は減少傾向にあったが、採用市場の盛り上がりにより、大手志向が強くなったとみることができる。
● 大手志向の理由は「ビジネススケールの大きさや安定性」
  大手を志望する理由としては、「ビジネススケールの大きさや安定性」などを挙げる学生が目立っているが、就職活動期間が短く十分な準備期間が取れないことから、「中堅・中小(企業)まで見ている余裕がない」「中堅中小企業をどう探し、情報をどう得たらいいのか分からない」という理由から、大手を中心に回るしかないという声もあった。
  また調査結果を文系・理系、男女別に見ると、女子よりも男子、文系よりも理系で大手志向が強いことが明らかになった。
● どんな中堅・中小企業なら就職したいか?
  さらに、どんな中小企業なら就職先として考えられるのかをきいたところ、大手志向の学生では「企業として独自の強みがある」が1位で、「将来性がある」が2位。一方、非大手志向者では、1位が「やりたい仕事に就ける」、2位は、「企業として独自の強みがある」であった。
  中堅・中小企業の採用担当者としては、就活生の大手志向が強くなれば、志望者が減り採用が難しくなるのは確かであるが、調査からもわかるように技術や商品などに独自の強みを持っている企業であれば、興味を持つ就活生もいるので、そう嘆くこともない。大手志向の学生に対しても、強みの打ち出し方などを工夫することでチャンスはたくさんあるはずなので、これらの調査結果を前向きに受け止めて、自社の魅力を再度掘り下げてみるのがよいのではないだろうか。
参照 株式会社ディスコ 『就職活動モニター調査』(2013年3月発行)結果
http://www.disc.co.jp/pressrelease/detail/14monitor_2013march-876.htm
  
庄司 英尚 (しょうじ・ひでたか)
株式会社アイウェーブ代表取締役、庄司社会保険労務士事務所 所長
社会保険労務士 人事コンサルタント
  福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。
公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/
  
  
2013.04.15
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