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今年3月末の「国の借金」、国民1人当たり779万円に
● 普通国債は過去最高の約705兆円
  財務省がこのほど公表した平成25年3月末時点での国債や借入金などを合計した、いわゆる「国の借金」は991兆6,011億円となった。前回発表の過去最大を更新した平成24年12月末時点(997兆2,181億円)を5兆6,170億円下回ったものの、平成24年3月末からは31兆6,508億円の増加となった。
  地方が抱える長期債務残高は平成25年3月末で約201兆円程度と見込まれており、国と地方を合わせた借金は、大台の1,000兆円を軽く突破する状況にある。
  昨年12月末に比べ、国債は約9.3兆円増の約821.5兆円で、全体の約83%を占め、うち普通国債(建設国債+赤字国債)は、東日本大震災の復興債発行は約3兆円減少となるも全体では約14兆円増の約705兆円と過去最高となった。
  また、一時的な資金繰りに充てる政府短期証券は約16.1兆円減の約115.3兆円、財政投融資特別会計国債も約4.1兆円減の約109.3兆円とともに減少したが、借入金は約1.2兆円増の約54.9兆円と増加している。
参照 :財務省:国債及び借入金並びに政府保証債務現在高(平成25年3月末現在)
http://www.mof.go.jp/jgbs/reference/gbb/201303.html
● 年収500万円のサラリーマンが1億1,700万円の借金!?
  この「国の借金」991兆6,011億円は、平成25年度一般会計当初予算の歳出総額92兆6,115億円の約11倍、同年度税収見込み額43兆960億円の約23倍にあたる。
  これは例えば、年収500万円のサラリーマンが約1億1,700万円の借金を抱えている勘定だ。また、わが国の今年4月1日時点での推計人口1億2,734万人(総務省統計、概算値)で割ると、国民1人当たりの借金は、昨年3月末時点の約752万円から約779万円に上昇する。
  なお、わが国の公債残高(普通国債残高)は年々増加の一途を辿っており、平成25年度末(当初予算ベース)の公債残高は、平成25年3月末実績での約705兆円から約750兆円程度に膨らむと見込まれている。
  これは、平成25年度一般会計税収予算額約43兆円の約17年分に相当し、将来世代に大きな負担を残すことになる。また、この公債残高約750兆円は、国民1人当たりに換算すると約589万円、4人家族で約2,356万円となる。
  
浅野 宗玄(あさの・むねはる)
株式会社タックス・コム代表取締役
税金ジャーナリスト
1948年生まれ。税務・経営関連専門誌の編集を経て、2000年に株式会社タックス・コムを設立。同社代表、ジャーナリストとしても週刊誌等に執筆。著書に「住基ネットとプライバシー問題」(中央経済社)など。
http://www.taxcom.co.jp/
○タックス・コム企画・編集の新刊書籍「生命保険法人契約を考える」
http://www.taxcom.co.jp/seimeihoujin/index.html
  
2013.05.27
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