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平成24年人口動態統計発表、出生数は過去最少に
  厚生労働省より平成24年の人口動態統計月報年計(概数)の概況が6月5日に公表されました。主な結果は以下の通りです。
・出生数は、103万7,000人 (対前年1万4,000人減少)
・合計特殊出生率は、1.41 (対前年0.02ポイント上昇)
・死亡数は、125万6,000人 (対前年3,000人増加)
・自然増減数は、△21万9,000人 (対前年1万7,000人減少)
・婚姻件数は、66万9,000組 (対前年7,000組増加)
・離婚件数は、23万5,000組 (対前年300組減少)
※自然増減数=出生数―死亡数
● 出生数は過去最少、第2次ベビーブームの約半数に
  出生数は103万7,101人で、前年の105万806人より1万3,705人減少し、出生率(人口千対)は8.2で、前年の8.3を下回りました。
  これまでの出生数の推移を追ってみると、第1次ベビーブーム期(昭和22〜24 年)に生まれた女性が出産したことにより、昭和46〜49年は第2次ベビーブームとなり、1年間に200万人を超える出生数でした。昭和50年以降は減少傾向となり、一時的に増加はみられるものの、平成24年には平成23年に引き続き減少し、過去最少となりました。第2次ベビーブームの200万人を超える出生数と比較すると、近年は約半分にまで減少しています。
● 第1子出生時の母の平均年齢は上昇、晩産化進む
<第1子出生時の母の平均年齢の年次推移>
昭和50年 60年 平成7年 17年 21年 22年 23年 24年
平均年齢(歳) 25.7 26.7 27.5 29.1 29.7 29.9 30.1 30.3
  出生数を母の年齢別にみると、15〜34歳の各階級では前年より減少していますが、35〜49歳の各階級では前年より増加しました。また、第1子出生時の母の平均年齢は上昇傾向にあり、平成24年は30.3歳と晩産化が進行しています。合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の数)は1.41で、1.4を超えたのは平成8年以来16年ぶりとなりました。
  平成23年から平成24年の動向をみると、「女性人口」が減少し、「年齢構成の違い」も低下したため、「合計特殊出生率」が上昇したものの、出生数全体では減少したことが分かります。
<諸外国との比較>
日本 韓国 シンガ
ポール
アメリカ フランス ドイツ イタリア スウェー
デン
イギリス
1.41 1.30 1.29 1.89 2.01 1.36 1.40 1.90 1.96
  日本の合計特殊出生率は諸外国と比較しても決して高いほうではありません。出生率が2%を超えるフランスでは、子供の養育に関して、婚姻によらない出産、いわゆる婚外子に嫡出子と同じ相続上の権利を保障したり、子供を養育する親に年金額を加算することや、子供の数が多くなるにつれて支給額が増える給付制度など、子供を産みやすい環境を整えています。今後は日本でも男性の育児参加や法整備、国の子育て支援政策によって好転するよう期待したいと思います。
● 死因別死亡数、第3位には肺炎が定着?
  なお、死亡数は125万6,254人で、前年の125万3,066人より3,188人増加し、死亡率(人口千対)は10.0で、前年の9.9を上回りました。
  死因別にみると、第1位は昨年同様、悪性新生物(ガン)、第2位心疾患、第3位肺炎となっています。近年は、死因別死亡数の第3位は脳血管疾患が占めていましたが、平成23年、24年と肺炎が第3位に浮上し、脳血管疾患は第4位に陥落しています。これは、高齢者の死亡者数が増えたことが要因と考えられるのではないでしょうか。
参照 :厚生労働省 統計資料 平成24年 人口動態統計月報年計(概数)の概況
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai12/
  
半田 美波(はんだ・みなみ)
社会保険労務士
みなみ社会保険労務士事務所 代表、株式会社サンメディックス 代表取締役
診療所で医療事務職として勤務した後、医療法人事務長、分院の設立業務担当を経て、2003年に医療機関のサポート会社・(株)サンメディックス設立。2004年にみなみ社会保険労務士事務所を設立。医療機関に詳しい社労士として知られる。
  
  
2013.06.17
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