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総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)」公表
(1) 1世帯当たり貯蓄現在高は1,658万円、負債現在高は469万円
  総務省が5月14日に公表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)−平成24年平均結果速報−(二人以上の世帯)」によれば、二人以上世帯の1世帯当たり貯蓄現在高(平均値。以降貯蓄)は1,658万円であった。貯蓄の種類別内訳をみると、通貨性預金などは増加したものの、生命保険などや有価証券が減少したことにより、前年比0.4%減となった。
  下記の表をみると、二人以上世帯のうち、勤労者世帯の貯蓄は1,233万円で、前年と同水準である。貯蓄が最も多いのは、勤労者以外の法人経営者3,418万円、次いで勤労者以外の個人経営者2,338万円となっており、いずれも勤労者世帯の平均値に大きく差をつけている。
  一方、1世帯当たりの負債現在高(平均値。以降負債)は469万円で、住宅・土地のための負債などの増加を要因として、前年比1.5%増となった。このうち勤労者世帯の負債は695万円で前年比7.4%増であったのに対し、勤労者以外の世帯の負債は勤労者世帯の約3分の1の226万円となっている。
<世帯主の職業別貯蓄・負債現在高(抜粋)−平成24年−>
(注)貯蓄現在高と負債現在高のカッコ内の数値は中央値
    * 中央値は、貯蓄または負債が0(ゼロ)の世帯を除く貯蓄(負債)保有世帯について、現在高順に並べ替えて、
そのちょうど中央に位置する世帯の貯蓄(負債)現在高のこと
(2) 貯蓄高平均値を下回る世帯が3分の2にのぼる
  貯蓄現在高階級別の世帯分布をみると、平均値(1,658万円)を下回る世帯が全体の約3分の2(67.2%)となり、貯蓄の低い階級に偏っている(下図参照)。一方、二人以上世帯の約4割(38.9%)にあたる負債保有世帯を対象として、負債現在高階級別の世帯分布をみると、平均値(1,208万円)を下回る世帯が約6割(58.5%)で、こちらも負債の低い階級に偏った状況となっている。
  一方、年齢を含めた貯蓄の世帯分布をみると、二人以上世帯のうち、世帯主が60歳以上の世帯の貯蓄の平均値は2,223万円と、全体の平均値を大幅に上回り、その中でも、2,500万円以上の世帯がおよそ3分の1(31.9%)を占めている。
※グラフをクリックすると別画面で大きく表示されます。
(3) 4,000万円以上の世帯は1割ながら、貯蓄額全体の4割を占める
  貯蓄現在高階級別に世帯割合をみると、貯蓄が500万円未満の世帯が全体の31.7%で最も多いが、貯蓄額の割合でみると、全体のわずか3.8%である。一方、4,000万円以上の世帯割合は全体の10.4%であるが、貯蓄額の割合でみると全体の40.7%を占めている。
<貯蓄現在高階級別貯蓄の分布状況(二人以上の世帯)(二人以上の世帯)
−平成24年−>
  こうした結果から、保有する貯蓄の差、とくに60歳以上のシルバー世代と、働き盛りの現役世代との貯蓄の差が顕著に見える。団塊の世代を含むシルバー世代の多くはそれなりの貯蓄を保有しているように見受けられるが、平成不況のあおりを受けた現役世代がシルバーと言われる頃には、いったいどれだけの貯蓄を保有することができるのだろうか。今後、安倍政権が打ち出している日本再興戦略(三本の矢)がどのように機能して効果をもたらすのか、注目していきたい。
参照 : 総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)」平成24年平均結果速報(二人以上の世帯)
http://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/index.htm
2013.06.17
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