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小規模宅地等の特例における二世帯住宅の取扱い
● 改正政令で、二世帯住宅の取扱いが明らかに
  平成25年度税制改正において、小規模宅地等の特例における二世帯住宅の取扱いが改正され、平成25年5月31日に改正政令が発表された。
  従来の取扱いでは、二世帯住宅の場合、被相続人が居住していた独立部分(建物でその構造上区分された数個の部分の各部分)以外の独立部分に居住していた親族については、原則、小規模宅地等の特例の適用を受けることができなかった。
  ただし、被相続人の居住に係る二世帯住宅(その全部を被相続人又は被相続人の親族が所有するものに限る。)の独立部分のうち、被相続人がその相続の開始の直前において居住の用に供していた独立部分以外の独立部分に居住していた親族がいる場合、その被相続人の配偶者又はその被相続人が居住の用に供していた独立部分に共に起居していたその被相続人の相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人)がいない場合に限り、その親族について、他の要件を満たせば同居親族として小規模宅地等の特例の適用が認められていた(租税特別措置法関係通達69の4−21)。
● 今後は、二世帯住宅が区分所有建物であるかどうかがポイントに?
  改正後は、「被相続人の居住の用に供されていた一棟の建物が建物の区分所有等に関する法律第一条の規定に該当する建物」であるかどうかで、取扱いが変わることとなるようだ。
  区分所有建物(例えばマンションのような独立した住居)である場合には、二世帯住宅のうち、被相続人の居住の用に供されていた部分のみが小規模宅地等の対象となり、その他の親族居住部分は対象外となる。区分所有建物でない場合には、被相続人又はその被相続人の親族の居住の用に供されていた部分の両方が小規模宅地等の対象となる。
  今後の二世帯住宅は、区分所有建物であるかどうかが大きな分かれ目となり、判断基準は区分所有登記の有無になるものと思われる。ただし、改正前の二世帯住宅通達である措置法関係通達69の4−21との整合性がまだ発表されておらず、最終的にはその発表を確認する必要があるだろう。
  なお、上記の改正は、平成26年1月1日以後に相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用される。
参照
国税庁:法令解釈通達〔措置法第69条の4《小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例》関係〕
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/sozoku/sochiho/080708/69_4/01.htm
財務省:平成25年度税制改正
http://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei13/02.htm#01
  
村田 直(むらた・ただし)
マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士
大阪府茨木市出身。大学卒業後、会計事務所勤務を経て現法人へ。平成22年3月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。
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2013.07.18
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