>  今週のトピックス >  No.2667
約57%の一般社員は、叱られると「やる気を失う」
● 部下を叱ることは、「育成につながると思う」課長は、89%
  公益財団法人日本生産性本部は、7月24日に「職場のコミュニケーションに関する意識調査」の調査結果を発表した。この調査は、昨年6月から日本生産性本部主催の階層別公開セミナー等を受講された人のうち、管理職層の回答の中から課長職のみの回答300件、一般社員層の回答の中からは入社2年目社員から係長・主任・職場リーダークラス(部下評価権限のない方々)までの回答539件を抽出し、比較分析を行った。
  調査結果によると、「上司から叱られると、どのように感じますか?」という設問に対して、「やる気を失う」と答えた一般社員の割合は、56,8%だった。一方「部下を叱ることについて、どのように考えていますか?」の設問に対しては、89%の課長が「育成につながると思う」と回答した。
● 約8割の課長が「部下を褒めている」
  「あなたは部下を褒めますか?」の設問について、約8割の課長が「褒めている」と答えている。しかし、「上司はあなたを褒めますか?」の設問について、約半数の一般社員が「上司は褒めない方だ」と感じている。この回答を見る限りにおいては、課長は「褒めている」つもりでも、それが部下には伝わっていないことが明らかになった。
  最近では、管理職向けの研修でも部下の褒め方をテーマとして取り上げるケースも多くなってきているが、部下に伝わるように褒めるには、どうすればいいのか、という視点でもっと深く掘り下げて考えていく必要があるといえる。
● 部下、または後輩の仕事ぶりに「満足している」課長は37%
  職場で「率先して仕事に取り組んでいる方だと思っている」一般社員が78.3%いる一方で、部下、または後輩の仕事ぶりに「満足している」課長は37%にとどまった。
  部下、または後輩の育成を「面倒だとは感じない」課長が73.3%いる一方で、育成に「自信がある」課長は41.7%にとどまっている。
  これらの調査結果から、課長と一般社員の間では受け止め方が大きく違う項目が多数あった。これらを課題ととらえて課長側のほうからコミュニケーションの取り方を改善していかなければならないのは明らかであるが、あわせてゆとり世代の部下の特徴なども細かく把握しておくことも、大変重要であることを忘れてはならない。
  
庄司 英尚 (しょうじ・ひでたか)
株式会社アイウェーブ代表取締役、庄司社会保険労務士事務所 所長
社会保険労務士 人事コンサルタント
  福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。
公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/
  
  
2013.08.05
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