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納税で困らないためにも「消費税通帳」のススメ
● 毎月の消費税額を予測する
  消費税の課税事業者は、決算終了後2ヶ月以内に消費税申告書を提出し、還付を受ける場合を除いて納税をしなければならない。また、消費税については、原則、前事業年度の納税額に応じて、年1回、3回、11回の中間申告・納付をする必要がある。
  さて、経営者なら毎月とはいかないまでも試算表を作成し、黒字か赤字かを把握しているだろうが、消費税納税額予測はされているだろうか?中には、決算終了後に税理士から消費税納税額を聞き、想定外に高額で資金繰りに翻走された方もいらっしゃるのではないだろうか?そのようなことにならないためにも、試算表から消費税納税額を予測し、運転資金に回さないようにしていただきたい。
  消費税の計算方法には「原則課税」と「簡易課税」があり、消費税の経理方法には「税込経理」と「税抜経理」がある。できれば原則課税を採用している場合には税抜経理を、簡易課税を採用している場合は税込経理をお勧めする。
  というのも、原則課税は取引ごとに消費税の課税対象となるかどうかを判断し、預かった消費税から支払った消費税を控除して、その差額を納付又は還付する仕組みとなっているため、税抜経理をしておかないと、いくら払うのか把握できなくなってしまうからである。一方の簡易課税は、預かった消費税のみから納税額を計算するため、手間を考慮すると税込経理で問題ない。
  まず、原則課税(税抜経理が前提)の場合は試算表上に「仮受消費税」と「仮払消費税」という勘定科目が表示されるが、その差額を国に納付することになる。そのため、毎月その差額相当額を、消費税納税分と考えればいい。
  一方の簡易課税の場合で税込経理を採用しているときは、
  「課税売上高×5/105×(1−みなし仕入率)」
  で計算した金額相当額を消費税納税分と考えて、次の仕訳を計上する。
  「租税公課 ×××/未払消費税等×××」
  こうすることで、試算表からおおよその消費税納税額を予測することができるようになる。

● 消費税引き上げに備えて「消費税通帳」の作成を!
  納付予定の消費税相当額を運転資金に回してしまわないようにするため、普段使用している通帳とは別に「消費税通帳」を作り、その通帳に毎月資金を移し替えることをお勧めする。消費税のほかにも、源泉所得税の納期の特例を採用している会社では源泉所得税を移し替えておくと、納税に困ることは少なくなるであろう。
  今後、消費税率が引き上げになると必然的に納税額も大きくなるため、消費税通帳はますます重要になると思われる。
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ガマン経営22の心得
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今村 京子 (いまむら・きょうこ)
マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士
三重県出身。金融機関・会計事務所勤務を経て現法人へ。平成15年6月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。
プライベートでは、夫は税理士の今村 仁で2女の母。趣味は歌舞伎鑑賞。
マネーコンシェルジュ税理士法人
◎私たちは「経営者へのお役立ち度★世界一」の税理士事務所を目指します!
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2013.08.08
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