>  今週のトピックス >  No.2680
遺言の方式 ―公正証書遺言にかかる費用―
  保険販売に携わる中で、今まで「遺言」について勉強する機会は何度もあったと思われるが、ここでもう一度確認してみたい。
  遺言は「普通の方式」と「特別の方式」に分かれ、「普通の方式」には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類がある。「特別の方式」は「死亡の危急に迫った者の遺言」など、まさに特別の方式であって、通常その場面に出合うことはない。
  「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」は、それぞれいくつかのメリットとデメリットがある。
  公正証書遺言のデメリットとしては手数料がかかる点があるが、実際の手数料はどれくらいだろうか。
  公正証書を作成する際の基本手数料は次のとおりである。
(目的の価額) (手数料)
 100万円以下  5,000円
 100万円超200万円以下  7,000円
 200万円超500万円以下  11,000円
 500万円超1000万円以下  17,000円
 1,000万円超3,000万円以下  23,000円
 3,000万円超5,000万円以下  29,000円
 5,000万円超1億円以下  43,000円
 1億円超3億円以下  43,000円に5,000万円までごとに13,000円を加算
 3億円超10億円以下  95,000円に5,000万円までごとに11,000円を加算
 10億円超  249,000円に5,000万円までごとに8,000円を加算
日本公証人連合会のwebサイトで紹介されている例を見てみると、手数料の計算は次のようになる。
相続財産1億円を妻1人に相続させる場合
  妻に相続させる財産が1億円なのでそれに対応する手数料43,000円+遺言加算11,000円*=合計54,000円
相続財産1億円を妻に6,000万円、長男に4,000万円相続させる場合
  妻に相続させる財産6,000万円に対応する手数料43,000円+長男に相続させる財産4,000万円に対応する手数料29,000円+遺言加算11,000円=合計83,000円
*遺言加算:公正証書遺言を作成する際、1通の遺言公正証書における目的価額(相続財産)の合計額が1億円までの場合は、手数料に11,000円を加算する。
  相続人が複数の場合、それぞれの相続人の相続分に対応した手数料の合計となるため、相続財産がそれほど多額でなくても、10万円程度の手数料となることもある。また、弁護士等に依頼した場合には、別途その費用がかかる。
  このように、公正証書遺言にかかる費用は決して少額とは言えないが、その安全性・確実性を考えると、公正証書遺言の方式により遺言を行うことは有効であると言えよう。
参考:日本公証人連合会: http://www.koshonin.gr.jp/index2.html
公証人手数料令(平成5年6月25日政令第224号)
2013.08.26
前のページにもどる
ページトップへ