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地震保険料、最大で約30%引き上げ!?
  関東大震災(1923年9月1日)からちょうど90年。昨今、南海トラフや東海地震、首都直下地震、富士山の噴火など巨大地震や噴火が遠からず発生するとの話題が新聞・週刊誌上やテレビの情報番組を賑わしています。
  これらの情報の影響もあってか、地震保険の火災保険への附帯率は平成24年3月末で56.5%と前年より2.8ポイント増加しています。火災保険に加入している住宅(店舗併用住宅を含む)の半分以上に地震保険が付保されていることになります。そんな中で地震保険制度の見直しが行われ、損害保険料率機構が金融庁に提出していた「地震保険の基準料率の変更の届出」が6月27日付で認可されました。
  今回の見直しは、政府の地震調査研究推進本部が作成する「確率論的地震動予測地図」の一部見直しが行われたことと、財務省の「地震保険制度に関するプロジェクトチーム」でまとめられた報告書の内容を背景としています。損害保険料率算出機構では、これらの情報のほか、地震被害データや各種研究の成果等を反映して被害予測の精度向上を図り、地震危険度を計算した結果、
  @将来的な地震発生に伴う損害の危険が増加したこと
  A耐震性能によっては現行の割引率以上の格差があったこと、
が明らかになったことから地震保険の基準保険料の見直しに至りました。

  これに伴って、来年7月1日以降を始期とする地震保険は内容が以下のとおり大幅に改定されます。
  改定点1
  全国平均で基本料率が約15.5%引き上げられますが、引上率は都道府県および建物の構造により異なります。最大の引上率は30%ですが、一部の都道府県では、建物の構造によっては17%の引下げになります。
  改定点2
  地震保険は、建物の所在地(都道府県単位)によって基本料率が異なります(これを等地区分といいます)が、この区分が4区分から3区分に変更されるとともに、等地区分ごとの都道府県の分類も見直されました。これによって、都道府県ごとの保険料率の格差が従来より平準化されました。
  改定点3
  割引率が拡大されました。これによって、免震建物に適用される割引(免震建物割引)が30%から50%に、建物の耐震性能に応じて適用される割引(耐震等級割引)が最大30%から最大50%に拡大されました。
  改定点4
  割引確認資料が拡大(追加)されました。従来は割引確認資料の入手・提示が困難なため、割引条件を満たしている可能性が高いにもかかわらず、割引の適用を断念する事例も少なくなかったと言われていますが、割引確認資料が拡大されることにより、この点が改善されました。
  今回の改定によって、地域や構造によっては保険料の大幅な値上げになりますが、公的制度を含めて考えても、地震や地震による火災、噴火、津波による経済的損失を補てんする手段は、現状では地震保険だけです。このリスクを自分自身で保有する資金(数百万円〜数千万円程度)が十分準備されていない場合は、地震保険への加入を検討した方がよいでしょう。
2013.09.24
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