>  今週のトピックス >  No.2701
支払った医療費を超える入院給付金と医療費控除
● 医療費控除の計算方法
  自己又は自己と生計を一にする配偶者その他親族のために医療費を支払った場合には、医療費控除として一定金額の所得控除を受けることができる(その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費が対象)。
  医療費控除の対象となる金額は、次の式で計算した金額(最高200万円)となる。
  <実際に支払った医療費の合計額−(1)の金額−(2)の金額>
   (1)  保険金などで補てんされる金額
例:生命保険契約などで支給される入院給付金や健康保険などで支給される高額療養費・家族療養費・出産一時金など
   (2)  10万円(その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額)
● 支払った医療費控除を超える入院給付金がある場合
  入院や手術等を受けた場合、生命保険契約などに加入している人は、その契約に基づき、入院・手術給付金などの支払いを受けることができる。これらの入院給付金等については、先ほどの医療費控除の金額を計算する上で、「実際に支払った医療費の合計額」から控除しなければいけない。
  では、総所得金額等が500万円のAさんが同一年中に「入院費10万円」と「歯の治療費20万円」を支払った場合において、入院費の金額を超える金額の生命保険契約に基づく入院給付金30万円の支払いを受けたときは、その超える30万円−10万円=20万円は、歯の治療費から差し引く必要があるのだろうか?
  結論としては、歯の治療費から差し引く必要はない。支払った医療費を補てんする保険金等がある場合には、支払った医療費の金額から差引計算をするが、この差引計算はその補てんの対象となる医療費ごとに行い、支払った医療費の金額を上回る部分の補てん金の額は他の医療費の金額から差し引かない。
  Aさんの場合、
  {(入院費10万円+歯の治療費20万円)−入院給付金10万円}−10万円=10万円が医療費控除の金額となる。仮に税率20%ならば、10万円×20%=2万円が税負担軽減効果となる。医療費控除をよく税額控除と勘違いされる方が多いが、所得控除のため、上記のような計算となる。
  また、支払った医療費を補てんするための保険金は、身体の傷害に基因して支払を受ける保険金に該当し、当然ながら非課税所得となる。
  医療費控除は年末調整ではできず、確定申告で行うことになる。スムーズに申告手続きができるように、生命保険会社などから送付された入院給付金の通知書などは、医療費の領収書とセットで保管しておくといいだろう。
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今村 京子 (いまむら・きょうこ)
マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士
三重県出身。金融機関・会計事務所勤務を経て現法人へ。平成15年6月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。
プライベートでは、夫は税理士の今村 仁で2女の母。趣味は歌舞伎鑑賞。
マネーコンシェルジュ税理士法人
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2013.10.03
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