>  今週のトピックス >  No.2707
新入社員のSNS利用 3人に2人が「毎日利用」 
● SNSを毎日利用する新入社員、昨年より増加
  学校法人 産業能率大学は、新入社員の働く意欲や新社会人としての意識、将来の目標などに関するアンケートを実施し「2013年度 新入社員の会社生活調査」として発表した。この調査は、「新入社員研修セミナー」に参加した新入社員のうち150社500人を対象に実施し、463人から有効回答を得たものである。1990年度から継続・実施しており、その推移などを分析していくことで今後の課題解決にも役立つ資料となっている。
  調査結果によるとSNS(ミクシィ、フェイスブック、ツイッターなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス)の利用については、3人に2人が毎日利用していることが明らかになり、企業としても何らかのリスク対策を講じなければならない時代となっている。
● 上司からの友達申請はイヤ!42.8%
  今年度の新入社員にSNSの利用状況について質問したところ、「毎日利用している」が昨年度よりも7.6ポイント高く66.4%となった。「週に数回利用している」14.2%、「月に数回利用している」3.7%、「ほとんど利用していない」8.3%、「SNSには利用者登録していない」7.4%となっている。
  「ほとんどSNSを利用していない」「SNSには利用者登録していない」のいずれも昨年度より減っているのは、それだけSNSが一般的に浸透しているということでもある。
  実際にこの調査でも3人のうち2人がSNSを毎日利用していることがわかっており、新入社員にとってSNSは非常に身近な存在になっているのは間違いない。
  しかしながら、上司とのSNSでの交流は嫌がる新入社員が多い。実際に会社の上司からSNSで友達申請があったらどう思うかを尋ねたところ、全体の42.8%が「嫌だ」と回答、特に女性新入社員は約6割が不快感を抱いている。
● SNS利用については、就業規則に規定すること
  SNSを業務で使う人も増えてきているが、やはりプライベートでSNSを利用する際にトラブルに発展することが多いといえる。いわゆる勤務先の悪口や暴露話、会社の情報やお客さんの個人情報をついつい書き込んで、炎上させたりトラブルになったりすることは決して珍しいことではない。
  会社が貸与しているパソコンやスマートフォンでのSNS利用を制限することは可能でも、実際に個人所有のスマホ等でSNSを利用することまで制限をかけることは難しい。そうなると会社が明確な方針を打ち出し、個人所有のスマホ等を含めたSNS利用についての注意事項、制限事項、責任の明確化、問題が起きたときの対応、窓口となる部署などを就業規則に規定するのが一番の予防につながる。
  さらにトラブル発生を予防するためには、社内研修で実際のトラブル事例などを紹介しながら、定期的に何度も指導していくのが重要になってくるといえる。
参考 学校法人 産業能率大学「2013年度 新入社員会社生活調査」
http://www.sanno.ac.jp/research/fresh2013.html
  
庄司 英尚 (しょうじ・ひでたか)
株式会社アイウェーブ代表取締役、庄司社会保険労務士事務所 所長
社会保険労務士 人事コンサルタント
  福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。
公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/
  
  
2013.10.15
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