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なぜ設立1期目を7ヶ月にするのか?
● 免税事業者の仕組みが変わった
  消費税の納税義務は、その課税期間に係る基準期間(個人事業者の場合はその年の前々年、事業年度が1年である法人の場合はその事業年度の前々事業年度)における課税売上高が1,000万円以下の場合には、その課税期間の納税義務が免除される仕組みとなっている。新たに法人を設立した場合、その事業年度開始の日の資本金の額または出資の金額が1,000万円未満であれば、原則、設立後2期は免税事業者となる。
  ただし、平成23年度税制改正において、この仕組みに新たな判定基準が設けられた。平成25年1月1日以後に開始する年または事業年度については、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても、特定期間における課税売上高が1,000万円を超えた場合、当課税期間から課税事業者となる。
  特定期間とは、個人事業者の場合は、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間をいい、法人の場合は、原則としてその事業年度の前事業年度開始の日以後6ヶ月の期間をいう。なお、特定期間における1,000万円の判定は、課税売上高に代えて、給与等支払額の合計額により判定することもできる。
● 「短期事業年度」の特例とは?
  この改正により、法人設立直後の消費税の免税期間については、特定期間(原則、1期目の事業年度開始の日以後6ヶ月の期間)における課税売上高または給与等支払額の合計額が1,000万円を超えるかどうかが、非常に重要となる。これらの2要素のどちらかが1,000万円以下であれば、設立後2事業年度が免税事業者となる。両方とも1,000万円を超える場合には、2期目は課税事業者となる。
  ただし、この場合に「短期事業年度」という特例がある。短期事業年度とは、次のいずれかに該当する前事業年度をいい、短期事業年度となる前事業年度は特定期間とはならない。
   (1) 前事業年度が7ヶ月以下の場合
   (2) 前事業年度が7ヶ月を超え8ヶ月未満の場合であって、前事業年度開始の日以後6ヶ月の期間の末日の翌日から前事業年度終了の日までの期間が2ヶ月未満の場合
  例えば、平成25年1月以降に設立した法人の設立1期目が7ヶ月であったとすると、1期目は「短期事業年度」となり、2期目の納税義務を判定する際に、特定期間とはならない。特定期間が存在しないため、2期目は免税事業者となる。
  平成26年4月には、消費税率8%への増税が決定している。免税事業者になるかどうかは、法人設立に当たって非常に重要な項目の1つとなるため、事前にこういったシミュレーションを行うことが必須となるだろう。
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村田 直(むらた・ただし)
マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士
大阪府茨木市出身。大学卒業後、会計事務所勤務を経て現法人へ。平成22年3月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。
マネーコンシェルジュ税理士法人
◎私たちは「経営者へのお役立ち度★世界一」の税理士事務所を目指します!
http://www.money-c.com/
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2013.11.07
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