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新株価指数「JPX日経インデックス400」がスタート
● 投資魅力の高い会社を選んだ新株価指数
  1月6日から、日本取引所グループ、東京証券取引所、日本経済新聞社が共同開発した新株価指数「JPX日経インデックス400」(以下、JPX日経400)の算出が始まりました。
  JPX日経400とは、東証上場銘柄(市場第1部・2部、マザーズ、ジャスダック)の中から(上場3年以上を対象)、資本をどれだけ効率的に使って経営しているかを示すROE(株主資本利益率)や収益性などの業績指標に優れた企業400社を選定し、構成銘柄とした株価指数です。
  起算日を2013年8月30日、基準値を10,000ポイントとして算出、1月6日の初日は設定された昨年末の終値比98.18ポイント(0.8%)安の1万1669.06ポイントで取引を終えました。
  新株価指数を創設した狙いは、資本の効率的活用や投資者を意識した経営観点など、グローバルな投資基準に求められる要件を満たした「投資者にとって投資魅力の高い会社」をアピールし、企業価値の持続的向上と株式市場の活性化を図ることにあります。
  そのため銘柄の選定方法は、直近3年間の売買代金と選定基準日時点の時価総額を勘案し上位1,000銘柄を抽出(ただし、整理銘柄や過去3期のいずれかに債務超過があったり、3期すべてが営業赤字などの銘柄は除外)。その1,000銘柄に、3年平均ROE、3年累積営業利益、時価総額の3項目について得点を与え、社外取締役の選任やIFRS(国際財務報告基準)の採用などの項目を満たしている場合はさらに加点し、得点の高い上位400銘柄で構成しています。
● 指数に連動した投資信託も発売に
  パフォーマンスについては、TOPIXと比較した形で東証が公表しています(左表参照)。両指数ともサブプライムショックやリーマンショックの影響でマイナスのパフォーマンスですが、比較してみるとJPX日経400のほうが下落相場の時に影響を抑えることができています。逆に、上昇相場の際には、TOPIXのほうが良くなるという傾向がありそうです。
  また、JPX日経400の起算日である2013年8月30日から12月30日までの4ヶ月間の主要株価指数を以下の通り比較してみました。
主要指数の数値と上昇率(2013年8月30日〜2013年12月30日)
8月30日 12月30日 上昇率
日経平均 13,388円 16,291円 21.68%
TOPIX 1,106ポイント 1,302ポイント 17.72%
JPX日経400 10,000ポイント 11,767ポイント 17.67%
  こちらは4ヶ月間の比較でしかありませんが、短期的上昇相場の中、JPX日経400はTOPIXや日経平均には劣るという結果になっています。
  1月6日のJPX日経400の算出開始にあわせて、証券会社などから同指数の値動きに連動した投資信託等が発売されていますが、上表の実績が示す通り過度な期待は持たないほうが賢明に思います。ただ、長期的運用を考えた場合に、下落相場の影響を抑える意味では有効な投資対象になりそうです。
  
谷口 哲男 (たにぐち てつお)
株式会社ベネフィックス エフピー 課長
CFP認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、宅地建物取引主任者
終活カウンセラー、子育て保険アドバイザー
1976年元旦 香川県生まれ。
学生時代をずっと四国で過ごした四国人。中学生時代から資産運用に興味を持ち、
「円安になったら貯金が増える」ことを知り、円をドルに換えた経験を持つ。
大学時代に四国初の大学生FP資格者になり、証券会社勤務。
しかし株では、損の連続。その中で長期・分散投資の効果を体感し、独自の運用法を実践。
現在、税理士法人グループのFP会社で医師・経営者の人生設計を会社経営と同様に捉えた「人生経営コンサルティング」と一般消費者から大手生命保険会社、大手住宅メーカー、不動産会社にてセミナー講演、FPコラム執筆活動を行う。
趣味は、野球観戦で阪神ファン(元・巨人ファン)。東京ドームの巨人戦は皆勤賞。
株式会社ベネフィックスエフピー http://www.bene-sa.co.jp/benefixfp/
〒145-8566 東京都大田区南雪谷2-20-3 E-mail : taniguchi@bene-sa.co.jp
  
  
2014.01.14
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