> 今週のトピックス > No.2755 |
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厚労省、“ブラック企業”の疑いのある事業場に是正勧告 | ||||||||||||
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![]() ● 調査対象の約8割の事業場で法令違反
厚生労働省は、若者の「使い捨て」が疑われる企業等への取り組みとして、平成25年9月に、「過重労働重点監督」とする対策を行い、その状況を取りまとめて発表した。ハローワークへの相談や投書、離職率の高さなどを手がかりに、法令違反が疑われる5,111事業場を労働基準監督官が調査したものだ。
対象となった事業場のうち、8割超の4,189事業場で長時間労働や残業代不払いなど何らかの法令違反が認められたため、是正勧告等を行った。 ![]() ● 違法な長時間労働は43.8%、残業代不払いは23.9%の事業場で発覚
監督結果によると、是正勧告を受けた事業場のうち、労使で決めた残業時間の上限を超えて働かせるなど違法な時間外労働があったのは、全体の43,8%にあたる2,241事業場にのぼり、残業代不払いは23.9%にあたる1,221事業場だった。
また、時間外労働・休日労動が最長月100時間を超えて働いている人がいる事業場の数は、730で約14.3%となった。この時間は、国の定める過労死の原因となる労働時間の評価基準に関係してくるので、労働時間削減のために現場への指導を続けるとともに、対象者には産業医の面接を受けさせるように勧めていきたい考えである。 また、パワーハラスメント(パワハラ)に関しても労働基準監督署等への相談が増えているが、パワハラの事実だけでは労働基準法違反とすることができず、実際に労働基準監督官も企業の内部に深く介入できないという悩みを抱えている。そんな中で、今回は調査と同時に、パワハラによって若者を使い捨てにすることをなくすべく、労使をはじめ関係者に幅広く周知・啓発を行っており、リーフレット等の配布やセミナーを開催した。このことは、とても有意義な取り組みであるといえる。 ![]() ● 是正しない事業場には、送検も視野に入れて対応
業種別でみると、監督を実施した事業場のうち法令違反があった事業場数の割合が最も高かったのは、接客娯楽業で87.9%。次いで、運輸交通業や、病院などの保健衛生業も違反割合が高く、それぞれ85.5%、83.6%という高い数値となっている。
飲食などの接客娯楽業については、永遠の課題ともいわれる過重労働時間の問題が大きいといえる。過去に問題となった「名ばかり管理職」のこともあり、業界として少しは意識するようになったが、まだまだ現場での労務管理は追いついていないところが多いのが実態である。 厚生労働省は、今回の調査の結果、是正がなされていない事業場については、引き続き是正の確認を行っていき、法違反を是正しない事業場については、送検も視野に入れて対応するという方針を発表している。送検された際には、企業名等を公表されてしまうので、企業等は早期にしっかりと対策を講じていただきたいところである。 ![]() ![]()
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2014.01.20 |
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