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交際費課税についての改正内容をわかりやすく解説
  平成26年度税制改正大綱において、交際費課税が大幅に見直される予定である。今回は、その改正内容をわかりやすく解説する。
● 交際費課税の改正に至った経緯
  法人が支出した交際費等は、租税特別措置法により損金不算入とされている(ただし、交際費等の範囲から1人当たり5,000円以下の飲食費は除かれるが、社内飲食費は対象外)。
  他方で、中小法人については、大法人と比べて販売促進手段が限られており、交際費等は中小法人の事業活動に不可欠な経費であるとともに、飲食のための支出は、消費の拡大を通じた経済の活性化を図ることが可能である。
  そのため、中小法人については、平成25年4月1日以後に開始する事業年度から、定額控除限度額(年間800万円)までの交際費の損金算入が認められている(現行では、適用期間は1年間)。つまり、現行制度において、大法人は1人当たり5,000円以下の飲食費特例に該当しない交際費は、全額損金不算入となっている。
  そこで、さらなる消費の拡大を図る観点から、交際費課税の見直しを行い、大法人にも支出した飲食費用の50%を損金とする減税改正を行う予定である。
● 平成26年度税制改正大綱における改正案
  改正案では、大法人・中小法人を問わず、法人が支出する交際費等の額のうち、飲食のために支出する費用の額の50%を損金の額に算入することとする。ただし、飲食のために支出する費用には、専らその法人の役員、従業員等に対する接待等のために支出する費用、いわゆる社内飲食費は含まないので注意していただきたい。
  さらに、中小法人については、現行の定額控除限度額(年間800万円)までの損金算入と改正後の措置で有利な方を選択できるとし、適用期限についても2年延長する。
  例えば、中小法人で交際費が年間800万円を大幅に下回る場合、実務上の手間を考慮すれば、1人当たり5,000円以下の飲食費を区分することなく、交際費勘定で費用計上すればいいだろう。
  一方、交際費が多額な場合には、やはり1人当たり5,000円以下の飲食費を区分し、これまでと同様に処理する方が、税金の計算上において有利となる。さらに、交際費を「飲食費」と「飲食費以外の交際費等」に区分して会計処理すれば、決算時に有利な方を判定する際に役立つだろう。
<改正概要(抜粋)>
参照 中小企業庁:平成26年度税制改正について(中小企業・小規模事業者関係税制)
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/2013/131220ZeiseiKaisei2.pdf
※「平成26年度税制改正大綱」については、国会を通過するまでは確定事項ではありません。
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今村 京子 (いまむら・きょうこ)
マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士
三重県出身。金融機関・会計事務所勤務を経て現法人へ。平成15年6月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。
プライベートでは、夫は税理士の今村 仁で2女の母。趣味は歌舞伎鑑賞。
マネーコンシェルジュ税理士法人
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2014.01.23
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