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公立と私立の教育費、中高の差は拡大
  消費税の増税を控え、家計の節約指向が高まるのではという予想のもと、なかなか節約しにくい支出が“教育費”でしょう。2014年1月に発表された、文部科学省「平成24年度子供の学習費調査」の概要からは、公立と私立間で中・高の教育費の格差が拡大していることが見えています。
● 私立中学は公立中学の約3倍の費用が!
  調査の結果を見てみると、幼稚園から高等学校までの公立・私立それぞれの1年間にかかる学習費総額(学校教育費、学校給食費および学校外活動費の合計)は以下の通りです。
幼稚園 小学校 中学校 高等学校
公立 230,100円 305,807円 450,340円 386,439円
私立 487,427円 1,422,357円 1,295,156円 966,816円
出典:文部科学省「平成24年度 子供の学習費調査」(金額は平成24年度の年額)
  上記の通り、公立と私立の費用の差は歴然です。公立・私立の学習費は、私立は公立に対し幼稚園約2.1倍、小学校約4.7倍、中学校約2.9倍、高等学校約2.5倍、それぞれ私立の方が高くなります。
  前回の調査時と比べて、公立は各学校種類ともに横ばいか微減であるのに対し、私立は幼稚園と小学校は減少、中学校と高等学校では増加でした。結果として、中学と高校では費用の格差が拡大していると言えます。
  また、幼稚園(3歳)から高等学校までの費用を見ると、各学年の学習費総額(平成24年度の平均額)の単純合計では、オール公立コースで約500万円(前回調査約504万円)、オール私立コースで約1,677万円(前回調査約1,702万円)となりました。
● 子どもの希望を叶えてあげたい親心と家計事情
  ライフプラン相談でお客様のカウンセリングをしてみると、子どものいる家庭の中で優先度の高い支出は何と言っても教育費。キャッシュフローを作成して、将来の資産が厳しくなったときの改善策として、支出を減らす場合の家計支出の中では、「子どもにかけるお金は減らしたくない」と言う方が多い傾向にあります。旅行やレジャーなど優先度の低い他の支出を減らしてでも、教育費は確保したいという親心と言えそうですね。
  2014年4月からは、高校の無償化について見直され、就学支援金制度に一本化されます。さらに、来年度入学する生徒から世帯の年収制限が設けられ、年収910万円未満の世帯に限られることになります。ただし、2014年3月以前から在学中の生徒世帯については、これまで通り年収制限はありません。また、私立高校に通う年収590万円未満の世帯には、収入に応じて就学支援金の加算支給がされる予定です。
  これまでも、そしてこれからも子どもを持つ親にとっては、教育費の準備はライフプランの資金計画の中で重要な位置を占めることになりそうです。
  
高橋浩史 (たかはし・ひろし)
FPライフレックス 代表(住まいと保険と資産管理 千葉支部)
日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP®
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
東京都出身。デザイン会社、百貨店、広告代理店などでグラフィックデザイナーとして20年間活動。その後、出版社で編集者として在職中にファイナンシャル・プランナー資格を取得。2011年独立系FP事務所FPライフレックス開業。
住宅や保険など一生涯で高額な買い物時に、お金で失敗しないための資金計画や保障選びのコンサルタントとして活動中。その他、金融機関や出版社でのセミナー講師、書籍や雑誌での執筆業務も行う。
ホームページ http://www.fpliflex.com
ブログ http://ameblo.jp/kuntafp/
  
  
2014.01.23
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