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中小企業向け「経営セーフティ共済」掛金限度額到達後は?
● 33.5万件が在籍、中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済)
  「中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済)」は、中小企業倒産防止共済法に基づき独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営する共済制度で、中小企業者の取引先事業者が倒産し、売掛金債権等が回収困難になった場合に、自らが連鎖倒産や著しい経営難に陥るなどの事態を防止するために共済金の貸付けを受けられる。昭和53年に発足し、平成25年3月末現在で約33.5万件の在籍件数となっている。
  共済金の貸付けは、取引先事業者の倒産で回収困難となった売掛金債権等の額と、掛金総額の10倍に相当する額のいずれか少ない額の範囲内で請求することができる。たとえば、掛金総額100万円の契約者が取引先事業者の倒産で売掛金債権等1,500万円の焦げつきが発生した場合、共済金貸付額の上限は1,000万円となる。
● 平成23年10月の制度改正で貸付、掛金積立、掛金月額の限度額が引き上げに
  平成23年10月に「中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律」が施行され、共済金貸付限度額の引き上げ、掛金積立限度額の引き上げ、掛金月額の上限額の引き上げ等の制度改正が行われた。
≪主な改正点≫
・共済金の貸付限度額が『3,200万円』から『8,000万円』に引き上げ
・共済金の貸付限度額の引上げに伴い、掛金の積立限度額が『320万円』から『800万円』に引き上げ
・掛金月額の上限額が『8万円』から『20万円』に引き上げ
  これにより、平成23年9月時点で制度改正前の積立限度額320万円に達し、掛金の引き落としが止まっていた契約者については、掛金の積立を再開することができるようになった。
● 改正から2年経過、掛金積立限度額(800万円)に達する中小企業も?
  上記の制度改正から2年以上が経過し、仮に、平成23年9月時点で制度改正前の積立限度額320万円に達し、平成23年10月から掛金月額を上限額の20万円で積立を再開した場合、平成25年9月で掛金総額が800万円に達し、掛金の引き落としが止まることになる。
  掛金は全額損金(法人)または必要経費(個人)に算入できるため、掛金総額が800万円に達した中小企業者は、これまで損金(法人)または必要経費(個人)に参入してきた月20万円(年240万円)について、今後、例えば会社契約の保険など別の手当てが必要となってくるだろう。
  また、上限に達したあとは、一度解約して解約手当金を受け取り、もう一度加入することで、再度掛金を払い込むこともできる。ただしその場合、解約手当金は益金(法人)または雑収入(個人事業)に参入される。
参照:独立行政法人中小企業基盤整備機構「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)」
http://www.smrj.go.jp/tkyosai/
2014.01.27
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