> 今週のトピックス > No.2761 |
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隠れた増税項目、相続税取得費加算の特例縮小に | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
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![]() ● 平成27年1月1日以後開始相続より縮小〜地主に大きな影響
平成26年度税制改正大綱の中で、隠れた増税項目の1つとして盛り込まれているのが、いわゆる「相続税の取得費加算の特例」である。
相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年以内に相続財産を譲渡した場合、譲渡所得の計算において、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算できる特例がある。取得費に加算できる金額は、原則、その財産を売却した人にかかった相続税額のうち、「譲渡した財産に対応する額」となるが、土地だけは「相続や遺贈で取得したすべての土地等に対応する額」とされてきた。 この特例については、かねてから税制改正が噂されてきたが、ついに平成26年度税制改正大綱に盛り込まれた。 具体的には、「相続財産である土地等を譲渡した場合の特例について、当該土地等を譲渡した場合に譲渡所得の金額の計算上、取得費に加算する金額を、その者が相続した全ての土地等に対応する相続税相当額から、その譲渡した土地等に対応する相続税相当額とする」と記載され、平成 27 年1月1日以後に開始する相続又は遺贈により取得した資産を譲渡する場合について適用する、とされている。 ![]() ● 売却期限のクリアは同族関係者間でもOK
つまり、現在進行中の相続案件については、改正前の規定が適用できる。相続した土地を売却する可能性がある場合には、まず「相続発生から3年10ヶ月」という売却期限を忘れないようにしたい。この期限を超えてしまうと、特例は使えなくなる。
万が一、期限までに売却ができない場合には、いったん同族関係者間で売却しておく、という方法がある。この特例は、売却先についての要件がないため、同族関係者や同族会社への譲渡であっても認められる。また、売却資金の使途についての要件もないため、期限までに売却しておけば、相続税の納税資金に充当していなくても問題ない。この2点については、平成26年度税制改正大綱においても改正は行われない見込みである。 ![]()
※「平成26年度税制改正大綱」については、国会を通過するまでは確定事項ではありません。
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2014.01.30 |
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