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NISA滑り出し好調、年末には865万件の申込みと試算
● 1月末時点の口座開設申込数は約650万人と推計
  今年1月に開始されたNISA(少額投資非課税制度)の口座開設数は475万件(1月1日現在)にのぼり順調な滑り出しをみせているが、野村総合研究所が全国の20〜70代の男女を対象に2月1〜2日に実施した「NISAの利用実態調査」結果(有効回答数5,000人)では、NISA口座の申込は年内には865万件に達すると試算した。
  またNISA口座の開設金融機関について、現在は証券会社がリードしているが、今後は銀行の割合が増加する見込みだという。
  国税庁が1月1日現在の値として発表した、金融機関から国税庁への口座開設申請数(556万件、重複件数を除く)やNISA口座開設数(475万件)及び金融機関からのヒアリング情報を基にすると、NISA口座開設を金融機関に申し込んだ人は1月末時点で全国に約650万人と推計される。
  また、今回の調査を基に今後を予測すると、2月から12月までにさらに215万人が申し込み、平成26年末には累計で865万人に達する見込みであると推計している。
● 全体の約8割以上が「一括投資」派、平均投資金額は59万3,000円
  NISA口座の開設先については、ネット専業以外の「一般の証券会社」が最も多く、今回の調査では33.1%を占めた。それに対し、「一般の銀行」は29.1%だった。しかし、これから申込を考えている人は、口座開設先を「一般の証券会社」としている人が16.3%なのに対し、「一般の銀行」と回答した人が48.5%にのぼっており、今後、「一般の銀行」の割合が増えていくものとみられている。
  NISA口座を開設し、実際に投資を開始した人の投資対象は、「投資信託のみ」に投資した人が50.8%、「上場株式のみ」が43.2%、「両方に投資」が6.0%となっている。これまで投資商品を保有していない非投資家に限ってみると、52.5%が「投資信託のみ」に、47.5%が「株式のみ」に投資しており、ほぼ拮抗する結果となった。 運用原資は、「預貯金」が59.7%で最多、次いで「既保有の株を売却した資金」(19.1%)が続く。
  NISA口座への投資方法は、タイミングをみて一時金で投資する「一括投資」が84.4%、毎月積み立てる「積立型投資」が6.5%、「両者併用」が9.1%。一括型投資の投資金額の平均値は64万1,000円、積立型投資の平均値は月額3万1,081円で年換算37万2,000円。また、両者併用の平均投資金額は年額30万4,000円で、これら全体の平均は、59万3,000円となる。なお、追加投資を考えている人は、すでに投資を開始した人の50.2%だった。
  
浅野 宗玄(あさの・むねはる)
株式会社タックス・コム代表取締役
税金ジャーナリスト
1948年生まれ。税務・経営関連専門誌の編集を経て、2000年に株式会社タックス・コムを設立。同社代表、ジャーナリストとしても週刊誌等に執筆。著書に「住基ネットとプライバシー問題」(中央経済社)など。
http://www.taxcom.co.jp/
○タックス・コム企画・編集の新刊書籍「生命保険法人契約を考える」
http://www.taxcom.co.jp/seimeihoujin/index.html
  
2014.03.03
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