> 今週のトピックス > No.2782 |
![]() |
国民年金基金、4月加入者分より掛金引き上げに | ||||||||||||
![]() |
![]() |
||||||||||||
![]() |
![]()
自営業者などの、公的年金上乗せである国民年金基金の掛金が、2014年4月加入者分より平均で約7%引き上げられることになりそうです(日本経済新聞2月16日の記事より)。同時に、加入者に約束する予定利率は1.75%から1.5%へと、2004年以来10年ぶりに引き下げられます。
![]() ● 国民年金基金の概要
国民年金基金は、加入時の年齢や掛金で将来の年金受取額が決まる確定拠出・確定給付型の年金で、国民年金の上積み制度として1991年からスタートしました。1階部分しかない自営業者などの年金を、会社員などの厚生年金のように2階建てにすることで、厚生年金との年金額の差を解消するのが目的です。
年金の支給開始は60歳または65歳からで、将来の年金受取額は加入する口数によって変わります。毎月の掛金の上限は個人型確定拠出年金の掛金を含めて68,000円(年間816,000円)で、掛金は全額社会保険料控除となり、将来受け取る年金は公的年金等控除が適用されるため、税制上のメリットを受けることもできます。 ただし、いったん加入すると任意での脱退はできません(掛金の払込みは一時中断できますが、掛金の未納期間に応じて年金は減額されます)。 ![]() ● インフレには弱い側面も
冒頭で述べたように、国民年金基金は予定利率が決められているため、加入した時点で毎月の掛金と将来の受取額が決まります。つまり、インフレ対応で考えると不利な面があることは否めません。
政府・日銀の物価上昇目標2%が仮に実現した場合には、国民年金基金の予定利率1.5%では、インフレに負けて実質的な資産の目減りになる可能性もあります。そう考えると、これから老後資金作りを検討する方にとっては、上限68,000円の掛金すべてを国民年金基金に使うことはリスクになる可能性もあります。 そのためには、個人型確定拠出年金の利用も選択肢の一つでしょう。国民年金基金と同様に掛金が全額所得控除になるほか、運用中の利益に対する非課税メリットもあります。 今回の掛金引上げや予定利率の引下げからは、運用環境の悪化を含めた年金財政の厳しさが伺えます。加入員数も2003年度をピークに減少しており(2012年度末で493,487人/国民年金基金ホームページ掲載のデータより)、少子高齢化が進む将来に向けては、国民年金基金の加入員数の伸びを期待することは難しく、今後も厳しい運営が続きそうです。 ![]()
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
2014.03.06 |
![]() |
|