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企業向け損害保険の保険料が安くなる!?
● 近年の自然災害の影響で、敬遠されていた日本の再保険引き受け
  損害保険会社は巨大地震や台風が起きると巨額の保険金を支払う必要があるため、再保険会社と契約を結ぶなどをしてリスクを分散しています。このため、再保険料などのコストはかかるものの、自然災害が起これば再保険会社などが保険金の一部を補てんする形になります。
  近年、東日本大震災やタイで起きた洪水被害によって、損害保険会社の保険金支払い額が増加し、台風被害などでも例年以上の保険金支払いを迫られてきました。その結果、海外の再保険会社は日本の再保険引き受けを敬遠するようになり、地震保険などの再保険料は東日本大震災後に上昇した後、高止まりしていました。そして、このような状況を背景に、損害保険会社は、支払いリスクの大きい企業向けの地震保険の新規引き受けなどを積極的には行わず、ある程度制限を設けていました。
● 日米欧の金融緩和により再保険市場が活発化
  ところが最近、日米欧などで金融緩和が長引き、再保険市場には年金基金などの資金が流入してきたことで、損害保険会社の再保険コストが減少する見込みとなり、採算の改善にもつながってきました。
  こうして、再保険市場が活発になることで、損害保険会社の支払いリスクが軽減され、企業からの損害保険の引き受けそのものが増える可能性があります。
  東日本大震災以降、自然災害による経営リスクを減らしたい企業が、損保各社に新規加入や補償拡大を求める動きが相次いでいます。このような動きに対して、損害保険会社は再保険を手当てすることで支払いリスクを減らすことができるため、新たな保険契約を引き受ける余力が生まれます。地震保険の加入率が低い中小企業なども、保険を使った災害対策がとりやすくなってきます。
  再保険のコストがさらに下がれば、企業が損保各社に払う保険料の引き下げにつながる可能性もあります。
  現時点の損保各社の引き受けに対する姿勢はまちまちですが、今まで企業のリスクマネジメントを行う際に、保険料が高額であるとか、保険条件がニーズに合わないなどで保険加入を見送ってきた場合でも、改めて損害保険会社に見積もりを依頼してみてはどうでしょうか?
2014.04.21
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