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純資産価格方式における法人税額等相当額の改正
● 税制改正に伴い「法人税率等の合計割合」が40%に改定
  平成26年度税制改正において、復興特別法人税が当初予定よりも1年前倒しで廃止となった。これに伴い、取引相場のない株式等を評価する方式の1つである「純資産価格方式」における「評価差額に対する法人税額等に相当する金額」の算定に用いられる「法人税率等の合計割合」の算定根拠も変更となり、法令解釈通達により従来の42%から40%に改定された。平成26年4月1日以降に相続・遺贈または贈与によって取得した取引相場のない株式等の評価に適用されている。
  「純資産価額方式」は、以下の算式によって計算される。
  上記算式の中にある「評価差額に対する法人税額等に相当する金額」とは、「“相続税評価額”による純資産価額」から「“帳簿価額”による純資産価額」を控除した金額に「法人税率等の合計割合」を乗じた金額となる。この「法人税率等の合計割合」とは、法人税や法人住民税など法人に課税される税金の税率を総合して算出したものであり、純資産価額の算出においては法人に課税される税金相当分が控除されることになる。
● 「地方法人税」創設(10月1日)以降も、40%を適用
  さらに、法人に対する課税制度では、法人道府県民税および法人市町村民税の一部を、10月1日から国税に移行し、地方法人税(国税)として再編されることが決まっている。それに伴って「法人税率等の合計割合」は「法人税(地方法人税を含む)、法人事業税(地方法人特別税を含む)、法人道府県民税および法人市町村民税の税率の合計に相当する割合」に改定されることになるが、結果としては4月に改定された水準である40%からの変更はない。
  なお、法人が自社株を買い取る際に純資産方式によって評価する場合には、「評価差額に対する法人税額等に相当する金額」を控除する取扱いは適用されないので、留意が必要となる。
参考
国税庁「財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達)」
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka/kaisei/140402/01.htm
国税庁「財産評価基本通達の一部改正について」通達等のあらましについて(情報)
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/hyoka/140407/01.htm
2014.06.02
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