>  今週のトピックス >  No.2850
必要な時は手遅れかも?「保険は健康なうちに」が鉄則!
● 健診の判定数値に個別の基準を設定?
  日本人間ドック学会と健康保険組合連合会から発表された、健診の新たな検査値の基準範囲のニュースが一時話題になりました。「健康」と判断される数値が拡大したことで、「異常なし」となるケースが増えることから、各メディアで取り上げられました。
  実際には、今後数年間の調査結果を踏まえ、健診の現場で使える判定基準を作成するようで、すぐに判定基準が変更されるわけではありません。しかし、特定健診の保健指導基準について、年齢や性別によって基準になる数値が異なることが示されたことで、一律だった保健指導にも変化が起こる可能性もあります。さらには、生命保険の引受け可否の基準にも影響を与えるのか、今後の動向には注目したいですね。
● 健診受診者の実態はどうなっているか
  いま、40〜74歳の健康保険加入者(組合管掌健康保険、政府管掌健康保険、共済組合、国民健康保険など)には、特定健康診査が実施されています。厚生労働省「平成22年 国民生活基礎調査」によると、健診や人間ドックの受診率の全年齢の平均は、男性69.4%、女性59.7%。年代別に見ると、40代・50代の受診率が高く、最も受診率の高い40代男性では78.0%を占めています。しかし、全年齢の平均で見ると、男性で約3割、女性で約4割の人は健診も人間ドックも受けていません。
  そこで、健診や人間ドックを受けない理由を見てみると、最も多い回答が「心配なときはいつでも医療機関を受診できるから」(32.6%)でした。特に体に不調を感じていなければ、自ら進んで検診を受けようと思わないのかもしれません。つまり、人は自ら必要性を感じない限り動き出さないと考えることもできそうです。
  保険についても、若くて健康な頃は必要性を感じないものですが、中高年になって身近に病気や入院があれば、にわかに医療費の心配がでてくるようです。お客様の中には、家族や親戚が入院したのをきっかけに自分の保険が心配になり、加入中の保障分析や見直しを希望して相談にくることもあります。
  増え続ける国民医療費を受けて、70〜74歳の医療費の自己負担についても今年4月2日以降に70歳になる人は1割から2割に上がりました。今後も、負担割合が上がるとすれば、医療保険のニーズはますます高まりそうです。
  医療保険ニーズを感じ始めるのは、中高年になって健康に不安を感じ始める頃。若い人など、いまは健康で必要性を感じない人に対しても、健康でなければ入れない、健康なうちに入るのが保険であることを、あらためて訴求していきたいものです。
※一定の所得のある人はこれまでどおり3割負担。
  
高橋 浩史 (たかはし・ひろし)
FPライフレックス 代表(住まいと保険と資産管理 千葉支部)
日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP®
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
東京都出身。デザイン会社、百貨店、広告代理店などでグラフィックデザイナーとして20年間活動。その後、出版社で編集者として在職中にファイナンシャル・プランナー資格を取得。2011年独立系FP事務所FPライフレックス開業。
住宅や保険など一生涯で高額な買い物時に、お金で失敗しないための資金計画や保障選びのコンサルタントとして活動中。その他、金融機関や出版社でのセミナー講師、書籍や雑誌での執筆業務も行う。
ホームページ http://www.fpliflex.com
ブログ http://ameblo.jp/kuntafp/
  
  
2014.07.10
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