>  今週のトピックス >  No.2856
e-Tax利用の理由は“利便性の高さ”
● 「税務署または金融機関に行く必要がない」がトップ
  国税庁が、国税電子申告・納税システム(e-Tax)ホームページ及び確定申告書等作成コーナーにおいて今年2月から5月にかけて実施した「e-Taxの利用に関するアンケート」の実施結果(有効回答数5万4,021件)によると、e-Taxや確定申告書等作成コーナーを知ったきっかけ(複数回答)は、「国税庁ホームページ(e-Taxホームページ)」が有効回答数の61.9%を占めて最も多く、次いで、「テレビ・ラジオ」(同26.4%)、「税務署からの案内文等」(同23.3%)の順だった(注)。
  e-Taxを利用しようと思った理由(複数回答)については、「税務署または金融機関に行く必要がない」が有効回答数の80.9%を占めて最も多く、次いで、「税務署の閉庁時間でも申告書等の提出(送信)ができる」が同67.9%、「パソコン(インターネット)を活用できる」(同60.5%)、「申告書の作成・送信が容易」(同53.0%)などとなっており(注)、やはり税務署等へ足を運ぶ必要がないことを筆頭に、“利便性の高さ”が圧倒的に受け入れられている。
● 評価が高いe-Taxの普及定着に向けた取組み
  納税者から手間がかかるなどの不満の声が少なくなかった事前手続きについては、「とてもスムーズにできた」および「スムーズにできた」との回答が、「事前準備(ルート証明書のインストール、信頼済みサイトの登録)」で70.3%、「開始届出書の送信(利用者識別番号の取得)」で69.3%、「電子証明書やICカードリーダライタの取得・設定」で67.9%、「電子証明書の初期登録」で63.6%と、それぞれで6割を超え、事前手続きもスムーズに行えたことがうかがえる。
  e-Taxの普及定着に向けた取組みについての評価は、医療費の領収書や源泉徴収票等の添付書類の提出を省略できることは、「とても良い」が74.3%、「やや良い」が17.0%と、合計で9割超が評価。また、e-Taxで提出した還付申告書の処理期間を3週間程度に短縮していることについては、「とても良い」が68.1%、「やや良い」が22.1%と、こちらも評価する人が合計で9割超にのぼった。
  なお、納税者の利便性向上策のうち、平成25年8月から確定申告時期以外の通常時期でのe-Tax受付(送信可能)時間を延長していることについては、83.7%が「良い(「とても良い」と「やや良い」の合計)」と回答しているが、これを法人の経理担当者・代表者及び関与税理士に絞ると90.5%まで上がり、かなり評判は良いようだ。ちなみに、平成25年8月1日以降は、確定申告時期以外の受付終了時間を21時から24時まで延長している。
(注) 複数回答のため、割合の合計は100%を超える。
参考 国税庁:国税電子申告・納税システム(e-Tax)の利用に関するアンケートの実施結果について
http://www.e-tax.nta.go.jp/topics/topicse25.pdf
  
浅野 宗玄(あさの・むねはる)
株式会社タックス・コム代表取締役
税金ジャーナリスト
1948年生まれ。税務・経営関連専門誌の編集を経て、2000年に株式会社タックス・コムを設立。同社代表、ジャーナリストとしても週刊誌等に執筆。著書に『住基ネットとプライバシー問題』(中央経済社)など。
http://www.taxcom.co.jp/
○タックス・コム企画・編集の新刊書籍『生命保険法人契約を考える』
http://www.taxcom.co.jp/seimeihoujin/index.html
  
2014.07.22
前のページにもどる
ページトップへ