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フラット35の一部繰上返済が10万円から可能に
  2014年7月29日より、住宅金融支援機構のフラット35などの住宅ローンが10万円から一部繰上返済が可能になりました。これまでは、最低100万円からでしたので、より手軽に繰上返済が利用できることになります。
● 住宅ローン返済中の利便性が向上
  10万円からの一部繰上返済の対象になる住宅ローンは、フラット35(買取型)や機構(旧公庫)融資で、「住・My Note(すまいのーと)」のサービス拡充に伴うものです。
  「住・My Note」は、住宅金融支援機構の住宅ローン返済中の人向けのインターネットサービスで、以下の4つサービスが提供されています。
   1.  契約情報照会
住宅ローン情報(借入金額、返済日、毎月返済額など)の確認
   2.  借入金残高照会
返済中の住宅ローン借入金残高の確認
   3.  繰上返済シミュレーション
返済中の住宅ローンの繰上返済シミュレーション
   4.  各種書類の発行
住宅ローン控除用の融資額残高証明書、返済計画表(償還予定表)などの発行依頼
  今回のサービス拡充により、金融機関の窓口に行くことなく、インターネットの「住・My Note」から、手数料無しで一部繰上返済の申込みが可能となりました。フラット35返済中の人たちにとっては、利便性が高まったと言えるでしょう。
● 10万円の繰上返済の効果は?
  一部繰上返済の最低金額が、100万円から10万円に下がったことで、繰上返済がより身近なことになりました。実際の、繰上返済の効果を見てみましょう。
  【借入金額3,000万円・返済期間35年・金利1.73%(※)・毎月返済額95,272円】
  上記のフラット35を、返済1年後(12回目)に10万円を繰上返済した場合。
・期間短縮型:残り返済期間33年11ヵ月に短縮(利息軽減額79,877円)
・返済額軽減型:毎月返済額94,948円に軽減(利息軽減額32,402円)
  10万円でも利息軽減効果はありますから、現在の金利レベルで考えると10万円の定期預金よりも有利と言えそうです。
  参考までに、上記の住宅ローンを10年後(120回目)に100万円を繰上返済した場合の利息軽減効果は、期間短縮型で約52万円、返済額軽減型では約23万円になります。
  繰上返済は、ライフプランを考えた上での返済計画性が大切。将来、配偶者の転職・退職による収入減や、子供の成長で支出増になった時期でも、家計に影響しないよう繰上返済計画を立てたいものです。
※2014年7月のフラット35取扱金融機関の最多提供金利
  
高橋 浩史 (たかはし・ひろし)
FPライフレックス 代表(住まいと保険と資産管理 千葉支部)
日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP®
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
東京都出身。デザイン会社、百貨店、広告代理店などでグラフィックデザイナーとして20年間活動。その後、出版社で編集者として在職中にファイナンシャル・プランナー資格を取得。2011年独立系FP事務所FPライフレックス開業。
住宅や保険など一生涯で高額な買い物時に、お金で失敗しないための資金計画や保障選びのコンサルタントとして活動中。その他、金融機関や出版社でのセミナー講師、書籍や雑誌での執筆業務も行う。
ホームページ http://www.fpliflex.com
ブログ http://ameblo.jp/kuntafp/
  
  
2014.08.07
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