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仕事のやりがい、感じられない理由は「収入の不満」が最多
● 仕事に「やりがいを感じている」は53.7%
  日本能率協会は、『第3回「ビジネスパーソン1000人調査」働き方に関する意識アンケート結果』を公表した。この調査は、全国の20〜69歳までの正規・非正規雇用の就業者1,000人(内訳:男性556人、女性444人)を対象に実施した。
  この調査は働く人びとに焦点を当て、その時々の旬の話題をデータで紹介するシリーズで今回は「働き方」を取り上げたものとなっている。
  この調査の中で、「あなたは現在の仕事にやりがいを感じていますか」という設問に対する回答を見ると、全体の53.7%が「やりがいを感じている」、残りの46.3%が「やりがいを感じていない」と回答している。
● やりがいを感じている理由のトップは、「やりたい仕事ができている」
  やりがいを感じている人はその理由として、1位「やりたい仕事ができている」(33.1%)、2位「誰かの役に立っている実感がある」(29.1%)、3位「お客様から感謝されている」(20.5%)と回答している(複数回答)。
  一方でやりがいを感じられない人はその理由として、1位「納得のいく収入が得られていない」(41.0%)、2位「自分が成長している実感がない」(27.4%)、3位「やりたい仕事ができていない」(25.7%)ことを挙げている(複数回答)。
● 勤務先に愛着を感じていない人の理由は「給与が低い」が突出
  次に現在の勤務先に愛着を感じているかを聞いたところ、「愛着を感じている」人が56.4%、「愛着を感じていない」人は43.6%となった。
  愛着を感じている人はその理由として、1位「人間関係がよい」(41.1%)ことを挙げた人が最も多く、次いで2位「社風が合う」(21.3%)、3位「業績が安定している」(16.3%)と回答している(複数回答)。
  愛着を感じていない人はその理由として、1位「給与が低い」(50.0%)ことが突出しており、2位「人間関係がよくない」(28.7%)、3位「経営者に魅力がない」(26.1%)ことを挙げている(複数回答)。
  仕事にやりがいを感じられない人は収入に不満を抱えており、同様に、勤務先へ愛着が感じられないことにも給与の低さが影響していることが調査結果から明らかとなった。しかしながら、やりがいを感じている理由のトップと勤務先へ愛着を感じている理由のトップから、やりがいを感じていて、会社への愛着が高いからといっても給与の高さをそれほど重視しているわけではない傾向があることも確かである。したがって企業経営においては、賃金面だけでなく、ソフト面の充実感、例えば人間関係、社風、組織の風通しの良さなどを強く意識しながら常に改善していく必要があるといえる。
参考 一般社団法人 日本能率協会:第3回「ビジネスパーソン1000人調査」働き方に関する意識アンケート結果
http://www.jma.or.jp/news/release_detail.html?id=269
  
庄司 英尚 (しょうじ・ひでたか)
株式会社アイウェーブ代表取締役、庄司社会保険労務士事務所 所長
社会保険労務士 人事コンサルタント
福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。
公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/
  
  
2014.08.18
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