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非居住者等に対する課税で重要なのは“恒久的施設”
● 恒久的施設は3種類に分かれる
  非居住者等(非居住者及び外国法人)に対する課税では、恒久的施設の有無が非常に重要になる。非居住者等については国内源泉所得のみが課税対象とされるが、同じ国内源泉所得であっても、その非居住者等が日本国内に恒久的施設を有しているかどうか、恒久的施設を有している場合には、どの区分の恒久的施設かによって、課税関係が変わってくる。
  恒久的施設は、下記の3つの種類に区分されている。
1.  支店、出張所、事業所、事務所、工場、倉庫業者の倉庫、鉱山・採石場等天然資源を採取する場所。ただし、資産を購入したり、保管したりする用途のみに使われる場所は含まない。
2.  建設、据付け、組立て等の建設作業等のための役務の提供で、1年を超えて行うもの。
3.  非居住者のためにその事業に関し契約を結ぶ権限のある者で、常にその権限を行使する者や在庫商品を保有しその出入庫管理を代理で行う者、あるいは注文を受けるための代理人等(代理人等が、その事業に関わる業務を非居住者に対して独立して行い、かつ、通常の方法により行う場合の代理人等を除く)。
  ただし、租税条約がある場合には、租税条約において上記と異なる定めがなされている場合があるため、注意が必要である。
● 恒久的施設の種類によって変わる課税所得の範囲
  例えば、外国法人の課税所得の範囲は、恒久的施設の種類によって以下のようになる。恒久的施設は一般的にPE(Permanent Establishment)と略称されているため、以下PEとする。
   1.  支店等(1号PE)を有する外国法人
すべての国内源泉所得
   2.  建設作業所等(2号PE)を有する外国法人
国内源泉所得のうちPEの国内事業に帰せられるもの
   3.  代理人(3号PE)を有する外国法人
国内源泉所得のうちPEの国内事業に帰せられるもの
   4.  上記以外の外国法人
国内源泉所得のうち、国内にある資産の運用もしくは保有または国内にある不動産の譲渡により生ずるもの、その他政令で定めるもの等
  なお、日本国内に恒久的施設を有するかどうかは、形式的な判定ではなく、機能的な側面を重視して実質的に判断される。例えば、事業活動の拠点となっているホテルの一室は、ホテルだから恒久的ではない、という判断ではなく、事業活動の拠点となっているため、恒久的施設に該当する、と判断される。
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村田 直(むらた・ただし)
マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士
大阪府茨木市出身。大学卒業後、会計事務所勤務を経て現法人へ。平成22年3月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。
マネーコンシェルジュ税理士法人
◎私たちは「経営者へのお役立ち度★世界一」の税理士事務所を目指します!
http://www.money-c.com/
http://sogyo5.money-c.com/
  
  
2014.08.21
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