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男性の平均寿命が80年を超えた!!
● 平均寿命は男女ともに過去最高を更新
  7月31日に厚労省が発表した「平成25年簡易生命表の概況」によると、日本人の平均寿命は男女ともに過去最高を更新し、男性は初めて80年を超え80.21年、女性は86.61年となった。
  簡易生命表は、日本にいる日本人について、1年間の死亡状況が今後変化しないと仮定し、各年齢の人が1年以内に死亡する確率や、平均してあと何年生きられるかという期待値などを、死亡率や平均余命などの指標によって表したものである。ちなみに、0歳の平均余命が「平均寿命」である。
<主な年齢の平均余命>
年齢 男性 女性
0歳 80.21年 86.61年
10歳 70.49年 76.87年
20歳 60.61年 66.94年
60歳 23.14年 28.47年
65歳 19.08年 23.97年
90歳 4.26年 5.53年
● ゆとりあるセカンドライフを送るためにはいくら必要か?
  65歳の平均余命をセカンドライフの期間とすると、男性は約84歳まで、女性は約89歳までとなる。夫婦が同い年だと仮定すると、夫婦2人の老後が約19年、妻1人の老後が約5年となる。
  仮に、夫婦2人がゆとりのある老後生活を送るために月に約35.4万円※1かかるとしたら、19年間に8,071万円が必要となる。その後、妻1人になっても豊かな老後を送るには、仮に35.4万円の7割※2、月に約24.8万円かかるとすると、5年間に1,488万円となり、必要合計額は9,559万円となる。
  次に年金額を確認しよう。例えば、夫婦2人の期間の年金を月額22.7万円※3、夫が亡くなり妻1人になってからの年金額をその半分と仮定して月額11.4万円とすると、夫婦2人の期間(19年)の年金額は5,176万円、妻1人の期間(5年)の年金額は684万円、合計額は5,860万円となる。豊かなセカンドライフに必要な額との差額は3,699万円となる。
  公的年金等では不足する額は、自助努力で準備をすることになる。例えば現在50歳として、仮に住宅ローン返済や子供の学費負担から解放されていたとしても、65歳までの15年間に約3,700万円準備しようとしたら月に約20万円も貯めなければならない。特に、厚生年金のない自営業者などは、早くから準備しておく必要がある。
● 健康寿命も話題となりそう
  平均寿命とともに注目されているものとして「健康寿命」がある。これは健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことで、『平成26年版厚生労働白書』によると、平均寿命と健康寿命の差は男性で約9年、女性で約13年となっている。この期間は要するに「介護を必要とする期間」ということだ。ぜいたくな暮らしを望まなければ前述の約3,700万円はまるまる必要とは思わないだろうが、「ゆとりのある老後」を「十分な介護を受けられる老後」と読み替えればその金額も現実味を帯びてくるのではないか。
  なお、年金保険や医療保障、介護保障の提案とともに、健康寿命を延ばすために役立つ情報提供もお客様に喜ばれるであろう。
※1  生命保険文化センター「生活保障に関する調査」(平成25年度)の「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?」では、最低日常生活費の平均22.0万円に、ゆとりある老後生活を送るために最低日常生活費以外に必要と考える金額の平均13.4万円を合計した金額、約35.4万円を「ゆとりある老後生活費」としている。
※2  独居暮らしでも光熱費など固定費がかかるので単純に半分にはならない。
※3  厚生労働省HP「平成26年4月分からの年金額の改定について」の厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)の月額22万6,925円を基にしている。
参照 厚生労働省:平成25年簡易生命表の概況
  
古賀輝行(こが・てるゆき)
古賀社労士・FPオフィス 代表
〒169-0075
東京都新宿区高田馬場2−9−1 天野ビル3階
E-mail:kogasrfp26-22@ae.auone-net.jp
1951年2月22日生まれ(63歳)。損害保険会社に26年間、生命保険会社に12年間勤務後、2011年退職を機に個人事務所「古賀社労士・FPオフィス」を立ち上げる。
客先企業の顧問社会保険労務士としての業務のほかに、ファイナンシャル・プランナー(FP)として、ライフプラン、生命保険、社会保険の相談業務やセミナー講師を行っている。
  
  
2014.08.21
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