>  今週のトピックス >  No.2900
保険業法改正により、保険仲立人制度の規制が緩和
● 平成26年上半期は労働災害が大幅増加
  保険業法に定める保険募集を行うことができるものとして、生命保険募集人、損害保険代理店などのほかに保険仲立人があげられる。保険業法では保険仲立人について次のように定義している。
  「保険仲立人」とは、保険契約の締結の媒介であって生命保険募集人、損害保険募集人及び少額短期保険募集人がその所属保険会社等のために行う保険契約の締結の媒介以外のものを行う者をいう(保険業法第2条25項)。
  保険仲立人は商法第543条に定める仲立人として、商行為(保険契約の締結)の媒介をする。保険会社と代理店委託契約を締結している保険募集代理店や、雇用関係にある営業職員などと異なり、保険会社から独立した立場で保険募集を行うこととなる。金融庁の資料には「「保険仲立人」とは、顧客からの委託を受け、保険会社から独立した存在として保険募集を行う者である」と記されている。
  また、保険仲立人に対しては、「保険仲立人は、顧客のため誠実に保険契約の締結の媒介を行わなければならない(保険業法第299条)」ことが定められている。
  保険仲立人は、保険募集代理店と異なり保険会社の指示・監督を受けることが期待できないため、保険仲立人特有の規制がある。その主なものは以下のとおりである。
  ・保証金の供託義務(年間取扱保険料によって変動。最低4,000万円から最高8億円)
  ・顧客への誠実義務
  ・保険契約締結にあたって受ける手数料等の開示義務
  ・5年以上の保険契約の媒介を行う場合は、保険仲立人の登録のほか「認可」が必要
  これらの規制のため、現在「保険仲立人」の活用は低調となっている。
  そのため、顧客保護に配慮しつつ、「保険仲立人」の新規参入や既存業者の活性化を促進できるよう、参入障壁を緩和することなり、本年5月に成立した保険業法改正により、一部規制が緩和された。
  具体的には、保証金の最低金額を2,000万円に引き下げ、5年以上の保険契約の媒介を行う場合に必要だった「認可」を不要とすることである。一方、顧客への誠実義務と、手数料等の開示義務は維持されることとなった。
  なお、保険業法の改正は、公布の日(平成26年5月30日)から2年以内で政令で定める日から施行することとなっているが、保険仲立人に関する部分は本年8月29日にすでに施行されている。
2014.10.06
前のページにもどる
ページトップへ