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3年ぶりに増加、平成25年分民間平均給与は414万円
● 1年を通じて勤務した給与所得者は過去最多の4,645万人
  平成25年の1年間を通して民間企業に勤めた給与所得者(以下、年間給与所得者という)の平均給与は414万円で、前年に比べ1.4%増加したことが、国税庁が9月に発表した「平成25年分民間給与の実態統計調査」で分かった。調査は、全国約2万500事業所、約29万5,000人の数値をもとに推計したもの。
  調査結果によると、平成25年12月31日現在の給与所得者数は、前年に比べ2.1%増(113万人の増加)の5,535万人だった。そのうち年間給与所得者数は、前年比2.0%増(90万人増加)の4,645万人(内訳は正規3,056万人、非正規(パートタイマー・アルバイト・派遣社員・契約社員・嘱託等)1,040万人)で過去最多となった。
  年間給与所得者の平均給与414万円の内訳は、平均給料・手当が前年比1.1%増の353万円と3年ぶりの増加、平均賞与は前年比3.2%増の61万円と2年ぶりの増加。平均給料・手当に対する平均賞与の割合は前年から0.4ポイント増の17.3%となった。
● 男性511万円、女性272万円
  年間給与所得者の平均給与を男女別でみると、男性(平均年齢45.1歳、平均勤続年数13.3年)が前年比1.9%増の511万円、女性(平均年齢45.3歳、平均勤続年数9.7年)が前年比1.4%増の272万円。これを正規、非正規別にみると、正規が同1.2%増の473万円(男性527万円、女性356万円)と増えたが、非正規は同0.1%減の168万円(男性225万円、女性143万円)であった。
  平均給与を事業所規模別にみると、従業員10人未満の事業所の332万円に対し、5,000人以上の事業所では501万円と相変わらず事業所の規模が大きいほうが待遇はよい。一方、個人の事業所では5,000人以上の事業所の約半分にあたる254万円しかなかった。
  また、業種別にみると、「電気・ガス・熱供給・水道業」が696万円と突出して最も高く、次いで「金融業、保険業」の617万円、「情報通信業」の592万円が続く。対して低いほうをみると、最も低いのは「宿泊業、飲食サービス業」の233万円、次いで「農林水産・鉱業」の289万円、「サービス業」の339万円となっている。
● 納税額は13.6%の大幅増加で8兆2,907億円
  年間給与所得者4,645万人のうち、源泉徴収により所得税を納税している人は全体の83.9%を占める3,897万人で、前年より1.5%増加した。その納税額は8兆2,907億円、納税者の給与総額に占める税額の割合は4.64%だった。納税額(源泉徴収税額)は前年に比べ13.6%増(9,930億円の増加)となり、景気回復の兆しが表れているといえよう。
  給与所得者数及び税額を給与階級別にみると、年間給与所得者のうち年間給与額800万円超の者は386万人で、全体の給与所得者の8.3%にすぎないが、その税額の合計は5兆735億円で全体の6割強を占めている。
  なお、年間給与所得者4,645万人のうち、年末調整を行った人は90.8%に当たる4,220万人で、前年比2.2%増だった。このうち、社会保険料控除の適用を受けた者は3,721万人で、1人当たりの平均控除額は58万円であった。また、生命保険料控除および地震保険料控除の適用を受けた者は3,047万人および688万人で、平均控除額は6万円と2万円であった。
参照 国税庁HP「民間給与実態統計調査結果 平成25年」
  
浅野 宗玄(あさの・むねはる)
株式会社タックス・コム代表取締役
税金ジャーナリスト
1948年生まれ。税務・経営関連専門誌の編集を経て、2000年に株式会社タックス・コムを設立。同社代表、ジャーナリストとしても週刊誌等に執筆。著書に『住基ネットとプライバシー問題』(中央経済社)など。
http://www.taxcom.co.jp/
○タックス・コム企画・編集の新刊書籍『生命保険法人契約を考える』
http://www.taxcom.co.jp/seimeihoujin/index.html
  
2014.10.14
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