>  今週のトピックス >  No.2926
「年金の日」が制定、老後資金作りのきっかけに
● 11月30日が「年金の日」に
  11月は「ねんきん月間」ということで、厚生労働省と日本年金機構が協力して、公的年金制度の普及や啓発活動を展開しています。また、今年から11月30日が「年金の日」に制定されました。年金の日については、「1130」を“いいみらい”と読ませる語呂合わせで、この日に決まったようです。それぞれの目的は以下の通りです。
    ・ 「ねんきん月間」:公的年金制度を身近に感じて理解を深めてもらう
    ・ 「年金の日」:国民一人ひとりが“ねんきんネット”を利用して、年金加入歴や年金見込額などを確認し、老後の生活設計について考えてもらう
  ねんきん月間の期間中は、全国各地の市区町村役所(役場)、大学、高齢者施設、駅や商業施設などで年金事務所の職員が出張して年金相談を実施するほか、11月25日から12月5日まで1週間、携帯電話から「ねんきんダイヤル」や「ねんきん定期便・ねんきんネット等専用ダイヤル」(ナビダイヤル)に電話をかけた場合、通話料金の引き下げサービスもあります。
● 「ねんきんネット」で自分自身の年金確認も必要
  家計の見直し相談では、当面の家計収支改善はもちろんですが、最終的な相談者の関心事は“老後の生活”であることが多く見受けられます。どうやって老後の生活費を確保したらいいのかという質問の中には、公的年金にすべてを依存できないことを自覚して、年金への疑問や不安を持つ相談者の心理が感じられるようです。
  金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)」(2014年)で見ても、老後生活について「心配」と感じている世帯の理由として、「年金や保険が十分ではないから」が74.9%と7割以上にのぼっています。
  とは言え、公的年金は終身受け取れる大切な老後資金。現役の頃から、年金の日の制定目的にもなっている「ねんきんネット」を利用して、年金加入歴の確認や将来の年金見込額の試算をすることで、老後資金の準備の目安になるでしょう。「ねんきんネット」を利用するために必要なユーザーID取得者は、2014年6月には300万人を突破し、取得者は毎年増えています(日本年金機構ホームページより)。
  一般の人にとっては、公的年金は気になるけど制度について難解に感じている人は多いはず。顧客との面談の際には、公的年金制度への丁寧な説明で不安のハードルを下げる努力と共に、「年金の日」「ねんきんネット」を話題のきっかけとして、自助努力での老後資金作りの大切さも伝えていく必要がありそうです。
  
高橋 浩史 (たかはし・ひろし)
FPライフレックス 代表(住まいと保険と資産管理 千葉支部)
日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP®
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
東京都出身。デザイン会社、百貨店、広告代理店などでグラフィックデザイナーとして20年間活動。その後、出版社で編集者として在職中にファイナンシャル・プランナー資格を取得。2011年独立系FP事務所FPライフレックス開業。
住宅や保険など一生涯で高額な買い物時に、お金で失敗しないための資金計画や保障選びのコンサルタントとして活動中。その他、金融機関や出版社でのセミナー講師、書籍や雑誌での執筆業務も行う。
ホームページ http://www.fpliflex.com
ブログ http://ameblo.jp/kuntafp/
  
  
2014.11.20
前のページにもどる
ページトップへ