> 今週のトピックス > No.2941 |
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国際的な取引の課税漏れ対策強化、法定調書が3種類へ
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![]() 法定調書とは、所得税法等の規定により税務署に提出が義務づけられている資料のことで、給与の源泉徴収票や報酬の支払調書などが該当する。昨今、国際的な取引に関する法定調書が創設されたのでご紹介する。
![]() ● 国外送金等調書法に規定される調書
国外送金等調書法(「内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律」)において、3種類の調書が規定されている。
![]() ● 国外送金等調書
国外送金等調書とは、国外への送金及び国外からの送金を受領した金額が100万円を超えるものについて、金融機関から税務署に提出される法定調書のことである(平成21年4月より提出基準が200万円超から100万円超に引き下げられた)。2014年国税庁レポートによると、平成24事務年度の国外送金等調書の提出枚数は564万枚(前年比47万枚増)と年々増加している。
![]() ● 国外財産調書
居住者(非永住者を除く)で、その年の12月31日において、国外財産の価額の合計額が5,000万円を超える人は、その国外財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した調書を、その翌年の3月15日までに税務署に提出しなければならない(国外財産調書制度)。
この調書制度については、「アメとムチ」が用意されている。まず「アメ」の方は、国外財産調書を提出期限内に提出した場合には、国外財産調書に記載がある国外財産に関して所得税・相続税の申告漏れが生じたときであっても、その国外財産に係る過少申告加算税が5%軽減される。 一方の「ムチ」の方は、提出期限内に提出しなかった場合又は提出期限内に提出された国外財産調書に記載すべき国外財産の記載がない場合(記載が不十分と認められる場合を含む)に、その国外財産に関して所得税の課税漏れが生じたときは、その国外財産に関する過少申告加算税等が5%加重される。また、偽りの記載をして提出した場合又は正当な理由がなく提出期限内に提出しなかった場合には、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金を処されることがある(平成27年1月1日以後に提出する国外財産調書に係る違反行為について適用)。 「国外財産調書」を提出したくないなら、年内に「国外」から「国内」の資産に組み換えをお勧めする。 ![]() ● 国外証券移管等調書(平成27年1月1日から施行)
平成26年度税制改正において、国境を越えて有価証券の証券口座間の移管を行った場合に調書の提出を義務づける「国外証券移管等調書」が創設された。
証券会社等の金融商品取引業者等は、その顧客からの依頼により国外証券移管等をしたときは、その国外証券移管等ごとに、その顧客の氏名又は名称、住所、その国外証券移管等をした有価証券の種類及び銘柄等の一定の事項を記載した調書を、その移管等をした日の属する月の翌月末日まで税務署に提出しなければならない。平成27年1月1日以後に証券会社等に依頼する国外証券移管等について適用される。 ![]()
企業や個人による国境を越えた経済取引が複雑・多様化しているが、適正かつ公正な課税を実現する観点から、課税当局側においては、国際的な取引について課税漏れがないよう取組みが強化されている。
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2014.12.18 |
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