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冬のレジャーを安全に楽しむためのポイント
  代表的な冬のレジャーといえば、スキーやスノーボードがあげられます。いずれも自然を相手にするスポーツですので、万一のことが起こったときには、自分のスキルだけでリスクを回避することは難しいということを忘れてはなりません。
■ 損害保険はもちろん、医療保険にも加入しよう
  新年早々、雪山での遭難事故や雪崩事故などのニュースが何件か飛び込んできています。事故の中には、ルールさえ守っていれば大きな事故には繋がらなかったというケースもありますが、「自然を甘く見ていたのかな?」と考えた人も多かったのではないでしょうか。
  雪山の基本はルールを守ることが大前提となりますが、たとえルールを守っていても、自然相手ゆえに事故に巻き込まれてしまうことはあり得ます。そのためにも万一のときに備えて、保険に加入していくことが必要になってきます。
  レジャーの保険というと損害保険が一般的で、山スキー&スノーボードの保険(運動危険補償特約付傷害総合保険)、ゲレンデコース内を補償するスキー&スノーボード保険(携行品特約付傷害総合保険)などがあります。
  ただし、これらの損害保険の場合、他覚症状のないむち打ち・腰痛などは補償されないこととなっています。一般的な保障を得るためには、医療保険にも加入することを忘れないでください。
■ 保険ではカバーできないコース外での捜索費用
  当たり前のことですが、ルールを守っていての事故であれば損害保険会社は補償をしますが、事故の発生状況によって補償が得られないケースも考えられます。
  特に禁止されている区域やコース外での事故の場合、補償を得られない可能性があるだけでなく、捜索費用を負担しなければならないことがあります。
  立山山麓スキー場では明確にスキー場の利用約款が決められており、約款に違反して捜索が必要になったときには理由の如何を問わずに下記の捜索費用を請求することと定められています。
「立山山麓スキー場・捜索救助費用」
●パトロール隊員 1名 20,000円
●後方支援者 1名 10,000円
●雪上車 1台 50,000円
●スノーモービル 1台 30,000円
※いずれも1時間あたりの費用になります。
  たとえばコース外で遭難してしまい、のべ48時間、パトロール隊員2名、後方支援者1名、スノーモービル1台を使用したケースでは、3,840,000万円の捜索費用が請求されることになります。
  その他、野沢温泉スキー場では安全条例を定めており、指定区域外で捜索費用が発生した場合には費用を弁償しなくてはならないと決められています。
  スリルを求めてコース外でのスキーやスノーボードを楽しむことは、命の危険にさらされるだけでなく、金銭的なリスクも背負うことになります。まずはルールを守ることが、安全に楽しむための必須条件であることを忘れないようにしたいものです。
参 考
立山山麓スキー場利用約款
野沢温泉村スキー場安全条例
  
飯田 道子(いいだ・みちこ)
海外生活ジャーナリスト/ファイナンシャル・プランナー(CFP)
  金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっている。主な著書には、「宅建資格を取る前に読む本」(総合資格)、「介護経験FPが語る介護のマネー&アドバイスの本」(近代セールス社)などがある。
  海外への移住や金融、社会福祉制度の取材も行う。得意なエリアは、カナダ、韓国など。
  
2015.01.26
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