> 今週のトピックス > No.2972 |
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「特定空家」の土地を固定資産税の特例対象から除外
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![]() ● 空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく見直し
空家の全国的な増加が懸念されるなか、空家の除去・適正管理を促進し、市町村による空家対策を促進する観点から、平成27年度税制改正大綱では、「空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく必要な措置の勧告の対象となった特定空家等に係る土地について、住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置の対象から除外する」との措置が盛り込まれた。
「空家等対策の推進に関する特別措置法」は昨年11月19日に成立し、同月27日に公布された。同法では、「空家等」のうち、「倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態」、「著しく衛生上有害となるおそれのある状態」、「適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態」、「その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態」の空家等を「特定空家等」と定義した。 ![]() ● 空家問題の改善に高く期待
これまで、空家問題が改善しない理由の一つに固定資産税の住宅用地に対する軽減特例があった。
現在、特例は面積200平方メートルまでの小規模住宅用地の課税標準となるべき価格が6分の1に、200平方メートルを超える一般住宅用地の課税標準となるべき価格が3分の1に抑えられている。つまり、住宅を解体し、更地にすると固定資産税が最大6倍に跳ね上がってしまう。解体費用もかかるため、当面売却の必要がなければ、空家として放置しているケースが多いという。 そこで、平成27年度税制改正においては、市町村長が「特定空家等」の所有者等に対して周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとることを勧告した場合は、その特定空家等に係る敷地について、固定資産税等の住宅用地特例の対象から除外することとされた。 これまでは空家を壊し、更地にすると税負担が上がるため、放置されがちだったが、今後は優遇措置がなくなることから、更地にすることで税負担が軽くなることになる。 総務省によると、適切な管理がなされないまま放置されて空家となった住宅は、平成25年10月現在、全国で約820万戸にのぼり、空家率は13.5%と、ともに過去最高となった。地方自治体においても、所有者に空家の適正管理や撤去を促す条例を次々に制定・施行し、その数は昨年12月時点で約350件にのぼるが、決定打にはなっていないのが実情だ。今回の改正が、空家対策を強力に進める支援措置となることが期待されている。 ![]() ![]()
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2015.02.16 |
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