> 今週のトピックス > No.2975 |
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厚労省、高齢者虐待の実態の調査結果を公表 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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![]() ● 平成25年度の高齢者虐待件数は増加に
厚生労働省は2月6日、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」(以下、高齢者虐待防止法)に基づき、高齢者虐待についての調査結果を公表しました。平成25年度の高齢者虐待の対応状況等を示したもので全国1,741市町村(特別区を含む)及び47都道府県の地域が対象です。平成18年に高齢者虐待防止法が施行されたことにより、平成19年から毎年調査が実施されています。
![]() 高齢者虐待の判断件数、相談通報件数(平成24年度対比)
![]() *1 介護老人施設など養介護施設または居宅サービス事業など養介護の業務に従事する者
*2 高齢者の世話をしている家族、親族、同居人等
![]() ![]() ● 養介護施設の職員等による高齢者虐待の傾向
養介護施設での虐待の発生要因としては「教育・知識・介護技術等に関する問題」が128件(66.3%)で最も多く、次いで「職員のストレスや感情のコントロールの問題」51件(26.4%)、「虐待を助長する組織風土や職員間の関係性の悪さ」25件(13.0%)と施設側は回答しています。被害を受けた高齢者の総数402人のうち、叩く・殴るなど身体的虐待が258人(64.2%)で最も多く、著しい暴言、拒絶的な対応など心理的虐待132人(32.8%)、長時間の放置など介護等放棄67人(16.7%)がありました。性別では総数402人のうち女性が290人(72.1%)を占め、非力な女性が被害にあう場合が多く、また意思の疎通がとりづらい認知症の高齢者は、身体的虐待を受ける割合が特に高いと結果が出ています。
![]() 虐待の事実が認められた施設・事業所の種別
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虐待をする者(以下、虐待者)を性別でみると、男性141人(51.8%)、女性131人(48.2%)でほぼ半々ですが、介護従事者全体に占める男性の割合が21.4%なので、虐待者に占める男性の割合は高いことになります。また、年齢別にみると、男性女性ともに30歳未満の割合が高くなっています。
![]() ● 家族等による高齢者虐待の傾向
家族等の養護者による虐待の発生要因としては「虐待者の介護疲れ・介護ストレス」が1,398件(25.5%)で最も多く、「虐待者の障害・疾病」1,221件(22.2%)、「家庭における経済的困窮(経済的問題)」925件(16.8%)でした。身体的虐待が65.3%で最も多く、次いで心理的虐待41.9%、介護等放棄22.3%、経済的虐待21.6%でした。虐待を受けた高齢者の総数16,140人のうち、女性が12,537人(77.7%)とやはり女性が被害にあう傾向があります。
虐待被害は、要介護度が重い場合や、認知症がある、寝たきりの程度が高いなど、または介護保険サービスの利用の程度や、高齢者と養護者が同居しているなどの要因がある場合に、深刻度が高くなる傾向にあります。 いずれ誰もが迎えるであろう高齢期を、皆が穏やかに過ごせる社会であってほしいと願います。 ![]()
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2015.02.23 |
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