> 今週のトピックス > No.2987 |
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健康保険証が使用できるのは退職日まで | ||||||||||||||
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![]() ● 会社は、喪失日より5日以内に喪失届を提出する義務がある
3月は退職者が多い時期だが、会社の人事労務の担当者も入社対応を同時に行っているため、退職予定者に対して丁寧に今後の流れなどについて説明ができていないケースも多い。また、退職者向けの資料などわかりやすくまとまっているものを渡すことができればいいが、そこまでできないこともある。
それでも退職に際して返還してもらう健康保険証については、ポイントを押さえて簡潔に説明しておかないとトラブルになる可能性もあるので注意したいところである。 退職後は所属する会社の健康保険の被保険者ではなくなるので、その後はいうまでもなく保険証は使用することはできない。退職後、会社は喪失日(退職日の翌日)から5日以内に社会保険の喪失届に保険証(被扶養者分も含む)を添付して保険者(協会けんぽまたは健康保険組合)に返還しなければならない。しかしながら、退職日以降も保険証を返還しないで保険診療を受けているケースがあり、協会けんぽや健康保険組合もそのような人への対応に困っているというのが実態である。 ![]() ● 直接返還請求に応じない場合、法的手続を実施
退職後は健康保険の資格喪失となり、健康保険証は仮に同じ月内であっても使用することはできない。保険証そのものに効力がないので、もし退職後に誤って健康保険証を医療機関等で使用した場合、後日、健康保険で支払われた医療費は、協会けんぽ(健康保険組合等も含む)から資格喪失となった人へ直接返還請求されることになる。繰り返し請求しても返還しない場合は、裁判所へ支払督促申立てや少額訴訟等の法的手続を経て、強制執行(給与、預貯金等の差押え)による回収を行っているので、軽く考えていると大変なことになる。
健康保険の資格喪失後、健康保険証を返却せず医療機関等で使用したため、協会けんぽから返還請求されているケースが全国で頻発しており、平成27年1月末までで累計全国47支部で1,887件もの法的手続が実施されている。 なお、協会けんぽもホームページにて、資格喪失の際は速やかに健康保険証を返却するよう呼びかけているが、退職する本人が健康保険制度のことをよく理解していないことも多い。会社の人事労務担当者が退職の際の手続きについて丁寧に説明し、退職者の上司も本人に最後に一声かければ速やかに保険証を返還するようになり、誤って保険証が使われることが少なくなるのではないだろうか。 ![]()
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2015.03.16 |
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