>  今週のトピックス >  No.2995
新入社員の受け入れ態勢は準備万端ですか?
● 新入社員を迎えるにあたり準備リストを作成
  一般的に3月は年度末ということで退職する人が多く、人事異動も多い。また同時に営業面では数字に追われ、社内はバタバタしがちである。このような繁忙期であっても4月入社の新入社員の受け入れ準備は、完璧に行わなければならない。
  今後の会社の成長を左右する新入社員を、会社は歓迎ムードで温かく迎えてあげたい。入社にあたっての窓口になる人事労務担当部門、総務部門そして新入社員を迎える部署のトップはやることも多いので準備リストをそれぞれ作成しておくのがよい。新入社員に対して入社後の手続きやスケジュールなどの詳細情報を提供しておくと「社員のことを考えてくれる会社」と受け止めてもらえ、安心感にもつながるはずである。
● パソコン関連、文房具などは細かくピックアップしておく
  新入社員に気持ちよく働いてもらうためには、最初が肝心である。一般的には新入社員の配属は研修後になることが多いが、机や椅子、ロッカーにはじまりパソコン、文房具、電話などはもとより、近年ではスマートフォンやタブレットパソコンを貸与するところも増えてきているので、このようなハード面の準備は忘れないようにしたい。また企業によっては制服、靴、ネームプレートなども必要になるので、細かくピックアップして、リスト化しておいたほうがいい。
  また、パソコンやスマートフォンの設定、使用ソフトやアプリ、会社の独自システム、スケジュール管理、メールアドレスの登録、社内の連絡網など準備はいろいろあるが、新入社員に対してこれらの使い方についての指導・教育は部署によって温度差が大きいこともある。親切丁寧に先輩方が準備してその都度教えてくれるところであれば問題ないが、意外と細かくサポートできていない点も多いと聞くので、相談窓口などを整備しておくとともに、先輩に何でも相談しやすい雰囲気をつくっておきたい。
● 健康保険証を速やかに本人へ渡せる工夫を
  健康保険証や社内のIDカードなども早めに手続きしたいところだ。健康保険証を入社してすぐにもらえる安心感というのは、意外とわからないものだが、受け取る側の気持ちになって考えてみることが大切である。そのためにも3月の段階で、入社にあたっての必要な情報及び提出書類を早めにもらっておきたいところである。
  社員数が50人未満の中小企業は、社内マニュアルが完璧になっていないことも多く、準備に不備があったり、肝心なことが漏れてしまうことがある。その手際の悪さを冷静に見ている新入社員は、将来についてネガティブなことを考えるきっかけになることも多いようだ。また、指導・教育係である先輩社員の新入社員への対応がかんばしくなければ入社してすぐに会社を離れていってしまうことにもなりかねない。新入社員が早期退職するニュースが毎年出ているが、実際には会社側に問題があることも多いので、採用にかけた時間とお金が無駄にならないようにするためにも、新入社員の受け入れ態勢を会社での重要な業務として位置づけ、会社全体で準備するという意識改革が必要である。
  
庄司 英尚 (しょうじ・ひでたか)
株式会社アイウェーブ代表取締役、庄司社会保険労務士事務所 所長
社会保険労務士 人事コンサルタント
福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。
公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/
  
  
2015.03.30
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