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男女間の格差さらに縮まる、厚労省が賃金調査を発表
  厚生労働省は2月19日、「平成26年『賃金構造基本統計調査』」の結果を発表しました。フルタイムで働く一般労働者の月額平均賃金は29万9,600円(対前年比1.3%増)となり、2年ぶりの増加となりました。
● 男女間の賃金格差は過去最少
  男女別では、男性32万9,600円(同1.1%増)、女性23万8,000円(同2.3%増)とそれぞれ上昇しています。男性の賃金を100とすると、女性の賃金は72.2(前年は71.3)となっており、男女間の賃金格差は比較可能な昭和51年の調査以来、過去最少となっています。妊娠出産で退職をせず、長く働き続ける女性が増え、また管理職に占める女性の割合も増えてきていることから、今後はさらに賃金格差が少なくなっていくことと思われます。
  雇用形態別で見てみると、正社員・正職員(以下、正社員)31万7,700円(対前年比1.0%増)、正社員以外20万300円(同2.6%増)となっています。男女別では、男性正社員34万3,200円、男性正社員以外22万2,200円、女性正社員25万6,600円、女性正社員以外17万9,200円となり、どの区分でも対前年比で0.8%〜3.0%の増加となっていますが、とくに女性や非正規の賃金待遇の改善が進んでいる模様です。
● 飲食サービス業が求人難の理由の1つはやはり「低賃金」!?
  主な産業別に賃金を見ると、男性では、最も高いのが金融業・保険業(46万5,500円)、次が教育・学習支援業(43万6,000円)、逆に最も低いのが宿泊業・飲食サービス業(27万2,300円)でした。女性では、最も高いのが教育・学習支援業(31万2,400円)で、最も低いのが宿泊業・飲食サービス業(19万5,400円)でした。
  更に男女別に賃金カーブを見ると、男性では、金融業・保険業は50〜54歳で賃金がピークとなり、その後60〜64歳まで大きく下降しています。対して宿泊業・飲食サービス業及びサービス業(他に分類されていないもの)は金融業・保険業のような高収入は得られないものの、賃金カーブは緩やかなものになっています。一方、女性では、金融業・保険業及び教育・学習支援業は、年齢階級が高くなるとともにおおむね賃金も上昇していますが、製造業や宿泊業・飲食サービス業、サービス業は賃金カーブが緩やかになっています。
参考 厚生労働省 平成26年「賃金構造基本統計調査」結果の概況
  
半田 美波(はんだ・みなみ)
社会保険労務士
みなみ社会保険労務士事務所 代表、株式会社サンメディックス 代表取締役
診療所で医療事務職として勤務した後、医療法人事務長、分院の設立業務担当を経て、2003年に医療機関のサポート会社・(株)サンメディックス設立。2004年にみなみ社会保険労務士事務所を設立。医療機関に詳しい社労士として知られる。
  
  
2015.04.06
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