>  今週のトピックス >  No.3011
今年の新入社員に多い「熱血型」は要注意
● ゆとり型より熱血型のほうが扱いにくい
  今年は新入社員の入社式に関するニュースが話題になることが多かった。親が一緒に出席する入社式、芸能人が招かれる入社式、またその他にもユニークな入社式を開催する会社が増えてきており、イベント化が進んでいる。
  入社式がユニークなのは会社のカラーであって特に問題ないのだが、そこに参加している新入社員の中には、とんでもない新入社員がいて、従来のゆとり型の新入社員だけではなく、「熱血型」という新しいタイプの新入社員が増えていて、実はこの熱血型の社員のほうが扱いづらいということで職場ではかなり警戒しているのが現状である。
  今回は先日メディアでも取り上げられた困った熱血型の新入社員の取り扱い方について簡単にまとめておきたいと思う。
● 納得しないと動かないので厄介
  熱血型という言葉だけ聞くといいイメージだが、熱血型は、ゆとり型の対極にあり、どちらも問題のある言動が多い。熱血型新入社員は、こうと決めたら一直線で、権利意識と我が強く、理路整然と自分の考えを主張するのが特徴。その困った言動の一部があるアンケート調査でも明らかになっている。
  例えば「やるべき作業を後回しにしていることを注意すると、『やろうと思えばすぐできるが、仕事全体の効率性を高めるため今はあえてスルー』などと説明するとのこと。
  「新入社員の立場で何を勘違いしているのだ」と腹がたつこともあるが、こんな人があちこちで増えていったら、組織は崩壊してしまうので事前に対策が必要になるのだ。
  このような熱血型は、自分が納得しないと動かない。「今はあえてスルー」と確信を持って特定の業務を拒否している者を説得するには、きちんと丁寧に、なぜ、今やらないといけないのかということを理詰めで話さないといけない。
● 叱り方を間違えるといきなり退職することもある
  熱血型新入社員を叱るときには、新入社員本人が叱られている理由を理解できるように順番にその背景なども含めて納得させなければならない。
  かなり手間がかかるが、そこを手抜きしてはいけない。上司も社内で情報を共有して、前向きな議論をしてその効果のある指導法や叱り方について常に勉強していなければならない。
  熱血型の新入社員は、叱り方を間違えると衝動的に退職するかもしれないので注意が必要だ。会社としてもせっかく縁あって採用したわけで育成して会社の戦力にしなければ意味がないし、育て方がうまくいけば、ものすごく化ける可能性もある。
  これまでのゆとり型新入社員とは対極にある熱血型新入社員も、結局はゆとり世代であり、両者に共通するところもある。ある専門家によると、日常生活での最大の関心事はSNSでの「いいね!」の数。「他人から認められたいという気持ち、承認欲求は誰にでもあるが、彼らは承認されるか承認されないかに特に敏感」なのでこのあたりを頭に入れて指導するとより効果的ではないだろうか。
  
庄司 英尚 (しょうじ・ひでたか)
株式会社アイウェーブ代表取締役、庄司社会保険労務士事務所 所長
社会保険労務士 人事コンサルタント
福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。
公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/
  
  
2015.04.27
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