> 今週のトピックス > No.3023 |
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中小企業白書、4割近くが「人材を確保できていない」 | ||||||||||||||
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![]() ● 法律で策定が義務付けられている年次報告書
政府は4月24日、2015年版中小企業白書を閣議決定した。中小企業白書は、中小企業に関する動向や施策について調査・分析した年次報告書であり、中小企業基本法によって毎年の策定が義務づけられている。1964年に初めて策定され、2015年版で52回目。
今後の中小企業の課題についても掘り下げてまとめられており、当事者である中小企業の経営陣も読んでおきたい。今回の白書によると、人手不足が深刻で、人材を確保できていない中小企業が4割近く(36.3%)に上ることが明らかになった。 ![]() ● 質・量の両面で人材不足に直面している
今回の中小企業白書のアンケート調査によると、人材の確保状況について、「十分確保できている」や「十分ではないが確保できている」と回答した者の割合は5割に満たず、中小企業・小規模事業者は人材を十分確保できていない状況である。
人材が「確保できていない」理由を見ると、「人材の応募がないため」が6割弱を占める一方で、「人材の応募はあるが、よい人材がいないため」という回答も約4割存在し、質・量両面での「人材不足」に直面していることがうかがわれる。 実際に研究開発や経営の中核となる人材も不足しているが、中小企業の人材獲得手段はハローワークや知人・友人の紹介などが多い。自社ホームページの活用など採用手段を多様にする必要があると指摘している。また売上が伸び悩んでいる中小企業は、新規顧客の発掘や市場調査を手がける人材も不足しているが、外部からの人材獲得には及び腰になっている企業も多く、その理由として「コストに見合う効果が期待できない」と答える割合が高かった。 ![]() ● 中小企業・小規模事業者の3年以内の離職率は、約4割
中小企業・小規模事業者における就業者の離職率(3年間)は、中途採用においては約3割、新卒採用においては約4割を超えている。特に、小規模事業者においては、新卒採用の5割超が3年以内に離職しており、会社の将来を担う人材の育成の前提として、採用した社員の定着率を高める必要がある。
経営の中核となる人材の育成の面でも、中小企業・小規模事業者は様々な課題を抱えており、とりわけ「指導・育成を行う能力のある社員がいない、もしくは不足している」との回答が顕著となっている。しかしながら、中小企業・小規模事業者における人材の定着や育成に関しては、限られた経営資源の中で行う個社単位の取組には限界がある。 こうした中で、地域を挙げた人材の定着・育成を行う参考になる取組事例も白書には取り上げられており、特に地域のNPO法人や自治体、商工団体、産業支援機関などが連携して形成された、地域の人材を地域で定着・育成するためのコンソーシアム(組織)がいい役割を果たしているようだ。事例にあるように「地域の人事部」として人材の定着・育成、また、地域の企業間の人材の不足感の改善に取り組んでいる点は他の地域でも参考になるといえる。 ![]()
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2015.05.25 |
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