>  今週のトピックス >  No.3032
マイナンバー、企業の9割超が認識も対応進まず
● 4割にとどまる内容を理解している企業
  帝国データバンクがこのほど発表した「マイナンバー制度に対する企業の意識調査」結果(有効回答数1万720社)によると、マイナンバー制度に対する認知について、「内容も含めて知っている」と回答した企業は43.5%となり、マイナンバー制度の内容まで知っている企業は約4割にとどまった。「言葉だけ知っている」企業は52.4%と半数超にのぼっているものの、企業の9割超は何らかの形でマイナンバー制度に対する認識を有していた。
  「内容も含めて知っている」企業を業界別にみると、「金融」が66.9%で最も高く、「サービス」(53.4%)が5割を超えている。
  従業員数別では、概ね従業員数が多くなるにしたがって、認知度も高くなる傾向がある。特に、従業員数が1000人超の企業では64.2%がマイナンバー制度を内容まで知っている。他方、従業員数が20人以下の企業では3割台にとどまり、規模の小さい企業において制度の理解が進んでいない様子がうかがえる。
● 平均コスト負担額は約109万円と推計
  制度への対応による想定コスト負担額は、「10万円以上50万円未満」が21.3%で最多、以下、「50万円以上100万円未満」(16.9%)、「100万円以上」(14.6%)が続いた。その結果、1社当たりの平均コスト負担額は約109万円と推計される。
  従業員数別にみると、従業員数が「5人以下」(48万円)、「6〜20人」(46万円)では40万円台の一方、「1000人超」(581万円)となる大手企業では平均で600万円近い負担を想定している。
  法人番号制度に対する認知については、「内容も含めて知っている」と回答した企業は20.7%にとどまった。他方、「知らなかった」企業が37.7%で約4割に達しており、法人番号制度に対する認識は広がっていないことが明らかとなった。「知らなかった」企業を従業員数別にみると、概ね従業員数が少ない企業で高い。特に、従業員数が「5人以下」の企業では50.9%と半数超が法人番号制度の存在自体を認識していなかった。
参照  : マイナンバー制度に対する企業の意識調査
  
浅野 宗玄(あさの・むねはる)
株式会社タックス・コム代表取締役
税金ジャーナリスト
1948年生まれ。税務・経営関連専門誌の編集を経て、2000年に株式会社タックス・コムを設立。同社代表、ジャーナリストとしても週刊誌等に執筆。著書に『住基ネットとプライバシー問題』(中央経済社)など。
http://www.taxcom.co.jp/
○タックス・コム企画・編集の新刊書籍『生命保険法人契約を考える』
http://www.taxcom.co.jp/seimeihoujin/index.html
  
2015.06.08
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